2024/09/23(月)、野党第一党である立憲民主党の代表選の投開票が行われ、代表は大方の予想通り野田佳彦になりました。私も、政権交代を見据えた場合、立憲民主党の代表は野田佳彦しかいないと考えていました。無難な結果でしょう。

自民党批判者の一部は「野田佳彦じゃダメだ!自民党と変わらない」みたいなことを言っていますけど。
もちろん、選挙権を持つ人たちは自分たちが思う、100点の政治を求めるのは当然のことです。ただ、現実的にそれが無理なのですから。
自民党政権が続くことが0点だとして、まずは政権交代を起こして、50点とることを目指そうよ…。
予備選挙の選挙権が欲しければ党員になればいいのだから、そうして、もし仮に政権交代が起きたとしたら、次の立憲民主党の代表選挙で野田佳彦を引きずりおろして野田佳彦以上の候補を代表に据えればいいじゃない、と。立憲民主党の党員・サポーター党員なんてWebから簡単に申し込みができます書いたあと、念のため確認したところ、Webから申し込みができなくなっていました。都道府県連に直接連絡しなければならないらしいです。今、代表戦やってた影響ですかね。

話を戻しますと、私は野田佳彦に対しても、それこそ立憲民主党そのものに対しても、文句を言いたいことは沢山あるのですが、それは飲み込むこととしています。ここで私が文句を書いたとして、もし読まれた方が「だったら自民党でいいや」と思ってしまったり、「選挙に行かない」なんて結果に繋がってはならないと思うからです。まずは自民党を引きずり落とすことが必要です。

野田佳彦氏が一番マシな理由

結論から、民主党政権の失敗から学ぶのであれば、野党第一党が政権をとる場合、その党首は総理大臣経験者が望ましく、政界引退していない総理大臣経験者が自民党以外には野田佳彦しかいないからです。

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民主党政権の失敗

以下、民主党政権の失敗に絡めて、野田佳彦しか選択肢がないと考えた理由を述べていきます。

政権運営経験の乏しさ

2009年、旧民主党が政権をとった後、一種の政治的混乱が起きました。
世の中の人がいう「民主党政権の悪夢」、というのを突き詰めていくと、政権運営をした経験が乏しいことがほぼ全てではないかと考えます。
日本は自民党が政権運営をしている時期が極端に長いため、野党にいる政治家は政権運営をした経験に乏しく、その結果、政治的混乱が起きた訳です。
民主党時代の政策は今も続いているものが多く、問題があるものもありますが、必ずしも悪いものではないと考えます。

さて、前述の通り、野田佳彦は野党の議員で唯一の総理大臣経験者であります。正確には菅直人がいますが、彼は次回衆議院選挙には出馬せず、政界引退を表明しています。

自民党であれば、若く経験のない総理大臣でいいんですよ。総理大臣/大臣/政務官などを経験した政治家が多いからです。やってきたことは別として党として層が分厚いのです。
しかし、層が薄い野党であれば、トップに経験者を据え、閣僚に若手を、サポート役に経験者を据えて人を育てていくようなやり方をするしかない。
そのトップの経験があるのは野田佳彦しかいないのです。

官僚をうまく使えない

民主党政権初期の大臣の話を聞くと、「真面目だなぁ」と思いそして「彼らは何もわかっちゃいなかったんだな」と感じます。
例えば大臣などの閣僚は、省庁などの巨大な官僚組織のトップであって、官僚は彼らの部下であり、必要なのは官僚を動かして政策を実現していくことです。
初期の民主党政権では、部下であるはずの官僚を排除(除外)し、大臣と政務官ですべての決裁をしていた、とインタビューで聞きました。その省庁の決済を閣僚自らがやりつつ、政策実現のための、いわゆる政治家としての仕事をしていた、と。パンクするのは当然です。
彼らに悪意はなく、真面目に仕事をしていた反面、部下をうまく使えていなかったわけですね。

米軍記事の辺野古移設に関する混乱ににしたって、あれは官僚とうまくやれずに「官僚の反乱」のような形で迷走をしたのです。
でもまあ元々、鳩山由紀夫は日本・中国・ロシア・韓国・その他東アジアの各国で東アジア版EUを作ってアメリカの影響力を下げよう、という壮大な、そしてアメリカから見ると危険な思想の持ち主であった訳ですから、大きな抵抗を受けたのは当然かもしれませんけど。

その点で、3人いた民主党政権での内閣総理大臣のうち、一番うまくやったのが野田佳彦です。
まあ、鳩山由紀夫時代から、彼ら自身が学んでどんどん改善されていったのですけどね。

民主党政権に同情すべき点

民主党政権に同情すべき点が2点あります。

リーマンショック直後であったこと

2008年、自民党の麻生政権のときにリーマンショックが起き、世界的に不況となりました。2009年3月10日、日経平均株価はバブル崩壊後、最低の7054円98銭でした。
そこから、自民党 / 民主党問わず政治家と官僚の努力によって徐々に経済は回復していくのですが、民主党政権時は一環して円高不況の真っ最中でした。
リーマンショックが起きたこと自体は、民主党政権どころか自民党の責任ですらないのですが、その回復の最中の不況を多くの方々は民主党政権で経験することになりました。

東日本大震災が起きたこと

2011年3月11日、東日本大震災が起きました。
当然ながら、天災は民主党政権どころか自民党の責任ですらないのですが、前述の円高不況の最中に多くの方々は東日本大震災を経験することになりました。
過去の震災対応と照らし合わせて「自民党であればもっと良い対応ができた」なんてifは成立しません。

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まとめ

民主党政権ってそんなに悪夢だったか?

もちろん、リーマンショックと東日本大震災は、もちろん悪夢だったでしょう。私は、今の業界に入って駆け出しだったのですが「これからどうなるんだろう」とかなり不安な思いをしました。
ただ、リーマンショック・東日本大震災自体が民主党政権が原因で起きた訳ではなくて、自民党がうまくやれたというifも成立しません。悪夢のようなことが起きていた最中の政権なので民主党政権自体が「悪夢」と言われています。
しかし、民主党政権のやらかしってもちろんあるのですが、そう多くもないのですよ。
子ども手当(現:児童手当)は、回り回って自民党政権によって民主党政権の頃の形に戻りましたし。でも、子ども手当に所得制限をつけるべきだ、と主張して抵抗をしたのは自民党ですからね。
※ なお、子ども手当開始後、海外に在住の外国籍の子どもに対しても子ども手当を支給する、という原則を通した結果、海外の孤児院の子どもを全員養子にして子ども手当を請求する、という不届き者が発生しましたね。このあたりは鳩山由紀夫に対してアホかと思う反面、どうしようもない奴がいるもんだなぁ、と
話を戻すと、自民党・公明党の要求によって子ども手当に所得制限をかけた結果、子ども手当というのは骨抜きになり、一定以上の所得がある人は「年少扶養親族控除」が無くなったうえ、子ども手当ももらえなくなり「子どもを産む=金銭的な罰ゲーム」になるという風になったのです。
参考記事:


まず必要なのは政権交代

野党第一党のトップがすげ変わっただけでは何も変わりません。
予備選挙の結果如何に関わらず、とにかく必要なのは政権交代であり、腐敗した自民党を追い落とす必要があります。
野党に転落した自民党が自浄作用により生まれ変わり、8年後くらいに腐敗し始めた立憲民主党を追い落とす。
別に自民党でなくてもいいし、立憲民主党でなくてもいいのですが、その繰り返しが、当たり前に起きる世の中になればいいな、と思っています。

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