先日、「ポイント付与」をするサイト経由で「ふるさと納税」をすることを禁止するというニュースが流れましたね。
これちょっとわかりにくいのですが、正確には、「納税者が、楽天市場(楽天ふるさと納税)でふるさと納税をすることを禁止する」ものではなく、「仲介サイト(楽天市場など)が、ふるさと納税をしたユーザーに対してポイント付与することを禁止する」、といった通達のようです。


楽天グループの三木谷会長が、反対署名を呼びかけています。なお、私は「署名しません」でした。


個人的には、ポイント云々以前の話であって、「ふるさと納税」自体なくしてしまうか、最低でも「返礼品」という制度を禁止すべきだと思っています。

もちろん、私はふるさと納税はかなりします。ダメな制度でも、自分が有利になるなら利用しますよ。
確定申告書によると、一昨年のふるさと納税の実績は26万円、昨年のふるさと納税の実績は25.2万円でした。
おそらく、今年は30万円以上、ふるさと納税をすると思います。

「ふるさと納税」を廃止すべき理由

そもそも「ふるさと納税」とは

ふるさと納税は、任意の自治体に寄付をすることで、課税所得の30%を限度として、寄附額のうち自己負担2,000円を除いた額が原則として住民税と所得税から全額控除されます。


この制度は菅義偉が総務大臣時代に作って、内閣官房長官時代に拡充した制度です。


リンク読んでいただいたらわかりますが、菅義偉が官僚に対して屁理屈をこね回した結果できたのが「ふるさと納税」です。
このガバガバな制度に、乗っかったのが「楽天市場」や「さとふる」などですね。
崇高?な理念など吹き飛んでしまい、ふるさと納税ってもはやカタログショッピングに成り下がっていますね。

菅義偉と楽天グループ三木谷氏

なお、この菅義偉という政治家、楽天の三木谷氏と昔かなり近かったのか、官房長官時代に楽天モバイルのMNO化を後押しなどをしました。


しかし、菅義偉は総理大臣になった途端「日本の携帯料金は高すぎる」と言い出し、3大キャリアに圧力をかけて、3大キャリアに格安料金プランを作らせるに至ります。


「通信品質が悪いけど、MNOとして最安」だった楽天モバイルは「通信品質が(楽天モバイルよりは)良く、同じような値段」の3大キャリアに押されてしまいます。
これは楽天の三木谷氏は怒ってもいいと思いますよw

だって、楽天はハシゴを外された訳ですよね。
それこそ、楽天グループのキャッシュが枯渇するのではないかと心配されるくらいにMNOとしての楽天モバイルに投資していた訳ですからね。
楽天モバイルへの投資が原因で、楽天グループの経営が傾いたことから、楽天グループをKDDI(またはKDDIと協業するMUFG)が買収するのでは、なんて記事もしょっちゅう流れます。


通信品質も、(当時)プラチナバンドの割り当てもされないため、なかなか改善されませんでしたしね。

私は仕事用の携帯電話は、楽天モバイルを利用しています。
関東の片田舎に住んでおり、都心にでるときに電車に長時間乗るのですが、電車の中では使い物になりません(笑)
JRのグリーン車、Wi-Fiつけてくれないかなぁ…。


話を戻すと、そういった経緯があり、今回のふるさと納税の通達ですから三木谷氏はそりゃあブチ切れるでしょう。
三木谷氏、ぜひ衆議院神奈川二区から野党統一候補として出馬をお願いしますw

ふるさと納税の何が問題なのか

金持ち優遇である

所得が高い人ほど、多くの寄付ができるため、それだけ多くの返礼品を受取ることがでるからです。

税制度は累進であることが前提です。
つまり、所得の高い人は高い税金を、所得の低い人は安い税金を、という「平等ではないが公平」に支払う訳ですよね。
しかし、ふるさと納税は逆進性が高いのです。
なぜなら所得が高い人は税金が高いため、税金を寄付金という形で前払いをしてより多くの返礼品を受取れますね。

また、例えば同じ収入でも、こういった違いがあります。
・実家暮らしの所得200万円の人間
・一人暮らしの所得200万円の人間
・子どもと2人くらしの所得200万円の人間

誰が一番、生活に余裕があるでしょう。
大抵の場合は、実家暮らしの人間ですよね。

ふるさと納税は「寄付金」として税金を先払いすることが前提ですので、枠があったとして生活に余裕がなければできないのです。
ふるさと納税の返礼品率は30 %までです。例えるなら 3,000円 のサバ缶を 10,000円払って買うような形で寄付金として税金を先払いするのですが、その差額7,000円を前払いする余裕のある人間しか恩恵を受けられませんよね。
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ふるさと納税を受けられる条件は平等ですが、果たしてこれは公平なのでしょうか?ということです。

行政サービスの質が下がる

行政サービスは、現在自治体に住んでいる住民からの税金で賄われています。
それが「ふるさと納税」により、他の自治体に流出するわけです。

「ふるさと納税」による流出額は、自治体によって異なりますが。
例えば 2022年の埼玉県さいたま市のふるさと納税による住民税流出額は74億円だったそうです。

自治体によって人口が異なるので一概には言えませんが、学校給食の無償化をするために、年間10億円ほどのコストが必要だそうです。
さいたま市は100万人都市ですので、5倍の50億円必要だと仮定しましょう。
ふるさと納税の流出がなければ、小・中学校の給食費無償化って簡単にできたことになりますよね。

また、私も地元を歩いていて思うのですが、「この道路直して欲しいな」なんていう道路が結構ありますよね。
片田舎に住んでいますので、地面がボコボコしているし歩道も狭い。危ないので実家に親を呼ぶこともためらいます。
道路のメンテナンスも、地方自治体が負担する部分があります。
要するに、回り回って自分の生活に悪影響として返ってくることになりますよね。

※ さいたま市を例に出したのは、ふるさと納税の流出額が大きいこと、さいたま市長選挙をウォッチしていたとき、対立候補の公約に給食費無償化があったのを思い出したからです

まとめ

ふるさと納税の問題点と不惑(FxxK)の考え

・逆進性が高く、公平ではない
・住んでいる自治体の行政サービスを落とすことになる
・ポイント云々より、いっそのこと廃止をすべき
・廃止しなければ返礼品制度をなくしてしまえばいい

必ずしも、「ふるさと納税の理念」自体を否定するものではありませんよ。
すべては返礼品の存在だと思っていて、それが制度を歪めてしまっています。

私は、親が要介護認定を受けていて、実家のある自治体の行政サービスを受けています。
また、実家のある自治体には妹夫婦と可愛い可愛い甥っ子が住んでいて、やはり行政サービスを受けています。
これらのことから、返礼品がなかったとしても、寄付金控除が受けられる限りは実家のある自治体に寄付は検討するでしょう。
これって、認定NPOなどに寄付をするのと同じ感覚ですよね。

繰り返しますが、もちろん自分が有利になるから、制度として存在する限りふるさと納税はしますよ。

楽天のお買い物マラソンで消耗品・日用品などをまとめ買いして、ついた通常ポイントは投資信託の購入に。期間限定ポイントは、ふるさと納税の原資にします。
その期間限定ポイントで、お買い物マラソン時にふるさと納税をし、消耗品・日用品を買うと、また通常ポイントと期間限定ポイントを得られる。これ、よくできた循環ですよね。
「ふるさと納税なんてやめてしまえ」なんて言いつつ、来年の10月、限界まで恩恵を受けようと思います。

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