都知事選に、立憲民主党の蓮舫氏が、無所属での立候補を表明しましたね。

私は、都民でもなければ月に片手で数えるほどしか都内にも行きません。
したがって、誰が都知事になってもほぼ無関係なんですけど、国政・地方選挙問わず選挙をウォッチするのは好きなんですよ。選挙結果を巡って知人と、軽い食事を賭けたりもします。
なので都知事選についてもいつも気にしています。

支持・不支持というお話ではなく、個人的には現職の小池百合子氏が負けるとは思っていません。
ただ、蓮舫氏が出馬するにあたって、彼女を中傷するデマがたくさん流れると思いますので、あらかじめそれを打ち消す記事を書こうと思います。そうでなければ公平ではないので。

死ぬほど長文になりましたので記事を3つ位に分けないといけません。今回はその1回目です。
デマを広めるのは簡単なのですが、打ち消すのには非常に労力が必要です。しかしまた無知な人はデマを拡散します。
デマというものは、非常に罪深いものです。。。

蓮舫氏にまつわるデマ

二重国籍について

結論:現在は二重国籍ではありません。

確かに二重国籍であった時期はありますが、現在は二重国籍ではありません。

まず、彼女は中華民国(現在の台湾)にルーツがあります。彼女の父親は中華民国籍、彼女の母親は日本国籍でした。
それ以前の国籍法では、「日本国籍を取得するには"父親が"日本国籍でなければならない(父系血統主義)」必要があったのですが、1984年にこれが改正され"父母両系血統主義"になったためです。
父親が帰化をするに伴い、1985年、17歳のときに日本国籍を取得しました。
帰化をするにあたって、台湾籍を離脱しなければならなかったのですが、おそらくその手続に不備があって、台湾籍が残っていました。これが二重国籍だった頃の経緯ですね。

日本の国籍法では、二重国籍の場合、22歳までにどちらかを選択する必要があります。
そのうえで、日本国籍を選択した場合は、もう一つの国籍を離脱する"努力義務"があります。
なぜ努力義務かというと、そもそも、離脱する元の国の法律で、「国籍を離脱できない」というものがある場合、そもそも国籍を離脱することができないからです。
したがって、本人がそれをしなかったからといってさほどの問題はありません。
22歳といえば大学4年生か社会人1年目の年齢ですよ。その年齢の人間に、「海外の行政手続を完璧にしろ」、というのは酷な話です。
また、17歳の時に手続をして「台湾籍を離脱した」と思い込んでいた訳であり、そもそも知らなかったのですから。そして、これは罪に問えないでしょう。単純に時効です。

二重国籍問題が発覚した後、蓮舫氏は2016年に改めて台湾の国籍を離脱しました。
その証明書を提出しましたが、「不受理」になりました。

これは、日本と台湾に国交がないからです。日本は「日中国交正常化」に伴い中華人民共和国と国交を結ぶ際、中華民国(台湾)と国交断絶しています。
台湾を日本は国家承認していませんし、国交もありません。外務省のWEBサイトに書いてあり、これが日本政府の公式見解ですから。

国ではない地方政権の出す書類は受理できない、ということは国籍を離脱したと証明する術はないのですから。これは前述の「元の国の法律で国籍を離脱する術がない」と同じことです。
努力義務に対して努力をして、それが受理されないことに対して攻撃をするのはただの言いがかりであり、ただの「いじめ」です。
少なくとも彼女は、台湾政府から国籍を離脱した証明を受け、それを出しているのですから、それ以上のことを求めるのは「悪魔の証明」を求めることに他なりません。

なお、二重国籍問題で彼女を攻撃する方々の多くは、中華人民共和国を仮想敵国とお考えのようです。したがって、その中華人民共和国と名目上は内戦中である中華民国(台湾)を支持していらっしゃるのですよね。
であれば、その台湾にルーツをもち、この国を選んで帰化してくださった蓮舫氏は味方のはずではありませんか?

「台湾加油」「台湾加油」と言いながら、台湾にルーツを持つ女性を「中国人!中国系議員」と罵るのはダブルスタンダードです。
「台湾は独立国だ!中華人民共和国じゃない!」と主張するなら、蓮舫氏の証明書を「不受理」にした行政を批判するのが筋です。

日本政府は中華人民共和国を正式な政府として認め、中華人民共和国の提唱する「一つの中国」を支持しています。
したがって、台湾にルーツを持つ蓮舫氏を「中国人/中国系議員」と攻撃するのは、中華人民共和国の「一つの中国」を支持していることになります。

ちなみに、自民党の英利アルフィヤ氏も、同じような二重国籍デマで中傷をされた一人です。
彼女は、ウイグルにルーツを持ちます。
「中華人民共和国がウイグルを弾圧している!民族浄化をしている!」「東トルキスタン(ウイグル)は中華人民共和国に侵略されたんだ!」なんて叫びながら、そのウイグルにルーツを持つ女性を中傷します。
それは間接的に中華人民共和国を支持していることと同じですよね。

もっとも、きちんとした帰化してもヘイトスピーチを浴びせられますからね。中傷をしている方々は根っからのレイシストなのでしょう。
立憲民主党の元議員の白眞勲氏であったり、古いですが、新井将敬氏なんかも酷い中傷を浴びた方でした。
なお、まっとうな右翼思想の持ち主は民族差別などしないはずです。野村秋介さんという新右翼で伝説的な方がいらしたのですが、この方がドチャクソにカッコいいのですよね。フィリピンの反政府ゲリラに日本人カメラマンが拉致された時、日本政府は最初、知らんぷりしたのですが、ヤクザコネクションを生かしてフィリピンに乗り込み救出したりですとか。新井将敬氏が差別的な中傷を受けた、黒シール事件に激怒して、石原慎太郎の事務所に殴り込んだと聞きます。「さらば群青」、若いころ何度も読みました。

二重国籍についてまとめ

  • 二重国籍だった時期があったが、現在は二重国籍ではない
  • 現在、二重国籍と言われるのは日本と中国、台湾の政治状況で書類が受理されないだけ
  • 中国を仮想敵国とするなら蓮舫氏は味方なはず

デマを打ち消すのには、本当に労力が必要ですね。
あと、私は別に蓮舫氏のことを応援している訳ではありません。個人的にはああいう方は苦手です。

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