読売ジャイアンツの坂本選手が、多額の申告漏れをしたというニュースが流れましたね。
坂本選手には、過去の女性問題もあり、それと確定申告をあわせて、「けつなあな確定申告漏れ」なる叩かれかたをしていました。ひどい中傷だと思いつつ、パワーワード過ぎてちょっと笑っちゃいました。

ちなみに、"独身"プロ野球選手の女遊びは、決して褒められたものではありませんが、そうめくじら立てる程のものではないと思います。
ただし、女遊びについては、プロ野球選手は子どもに夢を与える仕事なのですから、女子アナや女優、モデル、今であればアイドルなどと浮き名を流すべきです。
これは坂本選手だけに限ったお話ではありませんが、素人の女性相手に汚い遊び方はしないで欲しいなぁ、と考えます。豪快だった大昔のプロ野球選手は、遠征先の土地にそれぞれ現地妻がいた、なんてお話もありますけど。
それもまあそれで、綺麗に遊んでいるのでしたらヨシでいいじゃない、と。

週刊誌ネタですが、大谷翔平選手(現:LAドジャース)がルーキーの頃、花巻東高校の先輩である菊池雄星選手(現:トロントブルージェイズ)に風俗に連れて行かれて門限を破り、栗山監督(当時)が激怒!、みたいなニュースが流れまして。
当時、私が思ったのは変に素人相手に汚い遊び方をするよりは、お金で解決できるプロ相手に遊ぶ方がよっぽど綺麗な遊び方だしいいじゃない?なんて。現在は、お二人とも結婚して、特に菊池雄星選手は幸せそうな家庭を築いていらっしゃいますよね。売り出し前は「デリヘル王子」とか「風俗王子」なんて言われてもいましたが、そこはまあ若い男性なので…。お金で解決できるプロを相手にするっていう綺麗な遊び方をしていて、女性問題も起こしていないでしょ?

話を坂本選手に戻しますが、たぶん叩いている人たちは、記事の中身を読んでいないか、読んだとしても何が問題になったのかを理解できていないのだと思います。
確定申告ってサラリーマンなどの従業員の方がするのって副業してない限りは、ほとんど「還付申告」とか「株式の損失繰り越し」ですよね。副業しているサラリーマンの他、自営業者やフリーランサー、税理士・会計士および経理・会計関連業種の方くらいしかわからないんじゃあないでしょうか。

ここを深掘りしていきます。

ブログには書きませんが、私は物心ついて以来のプロ野球ファンです。
東北楽天ゴールデンイーグルスの辰巳選手が「奥さんに洗脳されているのではないか」という報道に関連して記事を書きました。
辰巳選手の父親と辰巳選手のインタビューから深掘りをし、どちらかという両親の方に問題があるのでは?という見解です。
ただし、インタビューから読み取れないことや、インタビューで必ずしも正しいことを言っていない可能性がありますので、仮定と推測の積み上げなので本当のところはわかりません。

なお、私の贔屓のチームは読売ジャイアンツではありません。

坂本選手の申告漏れ問題について

坂本選手のスキーム

報道から、坂本選手の税金対策のスキームが見えてきましたので書いていきます。

個人事務所

これはよくあるスキームでしょう。辰巳選手とほとんど同じですよね。

記事中に、以下の記載がありました。
> 本人の確定申告は毎年、親族が代表を務める個人事務所が主体で行っている

個人事務所とありますが、これは合同会社か株式会社かどちらかで法人化されているでしょう。
  • プロ野球選手としての年俸は坂本選手個人の収入とする
  • 坂本選手は個人事務所とマネジメント契約をし、マネジメント料として年俸を常識的な額、還流する
  • CM出演など、その他の収入は個人事務所の収入とする
  • 坂本選手は、個人事務所の100 %株主であり、若干の役員報酬を受け取る

これにより、以下の効果を見込めると考えます。
・マネジメント料として若干の個人所得の圧縮
・個人だけであれば上限いっぱいになるはずの、国民健康保険料を削減
・国民年金でなく、厚生年金に加入することで、将来の年金額の増額
・貸倒防止共済の個人/法人の二重加入 (とっくに枠800万、使い切ってるだろうが)

きちんと計算したことありませんし、これからもするつもりはないのですが、年俸1億とかもらうと効果がでるけど、年俸1000万そこそこの選手がやったら持ち出しの方が多いスキームですね。

領収書の処理

別の記事で、坂本選手と同じ飲食店に居合わせた第三者が「坂本選手が領収書もらってた」なんてしょうもないものがありました。

自営業者でしたら、領収書は経費計上しようがしまいが、とりあえずもらいます。
税務調査が入った際、「プライベートの飲食は経費計上していません!プライベートの領収書これだけあるけど、計上してないでしょ!」みたいな主張をするためです。
私も経費計上しない領収書は、無造作に段ボール箱に突っ込んでいますが、ぶっちゃけ邪魔です。

話を戻すと、坂本選手はお金をつかったらとりあえず領収書やレシートをもらって、個人事務所に送って、それで個人事務所(と顧問税理士)側で記帳しているのではなかろうかと。

坂本選手は確定申告をしなかったのか

そんな訳ありません。確定申告はしています。
確定申告において経費として計上したものが、税務調査が入り「これ経費じゃなくね?」という指摘をされただけのお話です。
その指摘をされた部分は、経費として計上できなければその分収入になりますので、「申告漏れ」という表現をされています。

決して坂本選手が収入を隠したり、申告をしなかった訳ではありません。
ネット民の「けつなあな確定申告しろ」「けつなあな確定申告漏れ」という声は、ただの罵倒であるか誹謗中傷でしかありません。

結局、問題になっているのは何?

個人事務所と税務署との、見解の相違

坂本選手は、チームメイトなどと飲みにいった高級クラブなどでの飲食費を経費として計上した、と。
確定申告というのは、申告するだけの行為で、申告して受け付けてもらえたからと言って、その内容が問題ないというお墨付きがでた訳ではないのです。

税務署が「これプライベートの飲食で経費じゃないよね?」という指摘をして、それに対して個人事務所が「いや、飲食費は今まで通ってきた」と反発をしている、と。
過去の税務調査で問題がなかったからその後もそうしたら、税務署が手のひら返して「やっぱこれ経費じゃないわ」って言ってきたら、それは税務署がおかしいです。
税務調査に初めて入られて「飲食費は今まで認められてきた」と事務所側が主張しているだけなのであれば、「いつ誰とどういう目的で飲みに行ったか」という精査が必要です。

このどちらかは、報道からは読み取ることができません。
おそらく個人事務所が雇用している、坂本選手の顧問税理士が戦っているのでしょう。

繰り返しますが、確定申告は「申告をする」だけの行為です。税務署の人はいちいち見てません。大量の国民が確定申告をした中から、後日、明らかに間違いがある申告をしている人や、坂本選手のように高収入な人について調べるのです。

まとめ

ポイント

  • 坂本選手は確定申告をしている
  • 単純に、経費の扱いについての見解の相違
  • 基本的に何も悪いことはしてない、ただの見せしめ

個人的な見解

本件に関しては坂本選手を応援します。ぜひ税務署と戦って、勝利を勝ち取ってください。 記事で、浦野広明なる税理士 (調べたら立正大学の元教授かな)がこう言っています。





「税務申告において、必要経費であるかどうかは『自らの収入を得るために必要なのか否か』を基準に判断されます」
(中略)
「プロ野球選手であっても、例えばバットやシューズメーカーの人との飲食なら経費に計上できる、といった基準はありません。その会食を催すための根拠となる大義名分があるかが重要になります。一人で、あるいはチームメイトと飲食した場合、その費用は『収入を得るための手段』とは考えにくい。私的な支出である以上は必要経費とは認められませんが、にもかかわらず毎年計上していたのであれば『悪質な申告漏れ』ともいえるのではないでしょうか」

引用元:週刊新潮
この人言ってることおかしいですよね。野球に興味ないから知らないだけなのかな。

まず、前提として一人で飲食するのは絶対に経費になりません。これは当たり前ですよ。彼女との飲み食いや、プライベートの友人との飲食もそうです。ただ、『自らの収入を得るために必要なのか否か』であれば、チームメイトや、チームの裏方さんたちと坂本選手が高級クラブで飲んだら、それは必要経費でしょう。
チームの裏方さん(スタッフ)は、彼らのサポートのおかげで坂本選手は野球ができている訳ですから、彼らに感謝の意をこめて接待することでより良いサポートを受けることに繋がり、その結果より良い成績を残せば、より高い収入を得ることができますよね。チームメイトに関しては、一緒に飲食をしたチームメイトたちの中から、将来、監督やコーチになる人もでてきますよね。
読売ジャイアンツというチームは、監督になる人を「生え抜き(移籍をせず選手人生のすべてを巨人で過ごしたこと)」に限定する、謎の縛りプレイをしています。
渡辺恒雄元オーナーのインタビューを見たことがありますが、ナベツネ自体はそんなものどうでいいらしいのですが、OBがうるさいらしいです。

生え抜きであり、通算2000本安打を達成した実績のある坂本選手クラスであれば、将来監督になることは間違いないでしょう。
であれば、チームメイトは将来の部下候補でもあります。
彼らの信頼を得て、逆に彼らが信頼に足るかどうか、一緒に時を過ごして見極めるのは、『自らの収入を得るために必要』な行為なのではないでしょうか。

坂本選手クラスでなくとも一緒に飲食をした選手が監督やコーチになる可能性がありますので、引退した後、その人脈で自分も仕事を得ることに繋がりますよね。基本的に未来への投資でしょう。 プロ野球選手の例えだからわかりにくい、と思ったので、別の例えを使います。

私が今以上に事業を大きくするためには、人を採用して、取引先から請ける仕事を増やさなければいけません。
零細事業者では、新卒の学生や未経験者を採用して育てる、という余裕がありません。
したがって、経験者を採用しなければならないのですが、採用っていうのはガチャみたいなものです。
そこで、手っ取り早いのが「引き抜き」をすることです。

仕事と関係する会社の若手なんかと飲む機会があったら、私は飲み代出しますよ。経費計上もします。
仕事のために、将来部下になってくれそうな若手にツバつけてる訳です。取引先から請ける仕事が増加する見込みの時に、会社を退職したい気心の知れた、どれ位仕事ができるかも把握している若手がいるって最高じゃないですか。お互いにタイミングが必要なので、そうそううまくいかないですが。
部下になってくれなくても仕事で何かしらの便宜を図ってもらえる可能性もありますからね。求人サイトに広告出すよりよっぽどコスパいいです。前述の通り、タイミングがあるのですぐに効果に結びつく訳ではありません。


また、営業に例えるのであれば。
新規の営業のため、取引先候補と会食をするとして「結果、取引に繋がらなかったら、それは経費にならない」っておかしいでしょ。
じゃあ2年前に売上に繋がらなかったので、経費として計上しませんでした。
でも、今年売上になったので、2年前に使ったものを追加で経費として認めてください、と税務署に行って、税務署は応じてくれるでしょうか?
それもないですよね。坂本選手に対する税務署の言い分が通ってしまうと、「個人事業主は未来への投資」としての経費の使い方が一切できないことになります。

だいたい、「働き方の選択肢を増やす」といって副業やフリーランスを推進していて、「フリーランス新法」なんてものも作ったのに。他方、ただでさえ狭い個人事業主の、経費の範囲を狭めるなんて、この国の政府はバカにしているにも程があります。 裏金問題がある議員に納税させるのが先でしょう。


最後に、私はアンチ巨人です。




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