先日、父親が要介護認定を受けたので、あれこれと書いてみます。
いや~、行政ってありがたいですね。自公連立内閣や一部の官僚、あと、指定暴力団国税庁とその傘下の税務署はクソですけど。

助かったこと

車椅子について

父親はもう自分の足で外出できない状態になっています。手すりなどがあれば、自宅内を歩くことはできるのですけどね。転んだらもう起き上がれません。母親も力が足りず、起き上がらせることができないので、転んだら即「救急」です。
今年の正月は、私が呼び出されました。


起き上げるだけで搬送の必要はないので、消防車で来て貰うよう言い含めています。救急車が必要な人に回らないと、まずいですからね。

自力で外を歩けませんので、通院の際は車椅子が必要です。
早まった妹が、メルカリで安い中古の車椅子を買おうとしていたので、「おいやめろ、絶対買うなバカ!」とストップさせました。


今のところは、実家のある自治体では、3ヶ月を限度に車椅子の無料貸し出しがあるので、それを利用しています。


この、3ヶ月という期間がとても絶妙なんですよね。
確か、要介護認定の申請をしてその結果が出るまでの待機期間?が最長で3ヶ月なのです。要介護認定の申請中、車椅子が必要なのに介護保険を使えない方向けなんですね。よく考えられてる。
実際は、申請をすれば暫定ケアプランを組んでもらえますので、その時点で介護保険を利用できるのですいけど。なので、たぶん1ヶ月もあれば足りますよね。


3月半ばに父が入院することになり、貸し出し期限もあるため、車椅子を一度返却したのです。
ところが、急に退院が決まりまして、退院までに用意しておこうと思っていた車椅子のリースが間に合いませんでした。この入院した病院、母に電話かけてきて「明日これを持って来てください」みたいなのパターンが多く、いろいろと母を振り回していたので相当イラっときます。

話を車椅子に戻すと、3月末で一度年度をまたいだことになるので、退院直前に、再び3ヶ月の期間つきで借りることができました。いや、本当にありがたいな。早くリースの手続しておかないと。

介護用品のリース

  • 介護用ベッド
  • 設置可能なところへの手すりの設置
  • 歩行器 (車輪なしタイプ)

これら全部リースで、介護保険を利用しました。
介護用ベッドは、やはり早まった母親が買おうとしていたので「おいやめろ、絶対買うなバカ!」とストップし、介護保険が使えるようになった後に、リースしました。
母親いわく「将来自分も使うかもしれないので買った方がいいかな」と。

買ってしまうことのデメリットですが。

  • 購入する場合、介護保険が利用できない
  • 購入した場合、状況が変化して合わなくなった場合は処分してまた別のものを用意する必要がある

つまり、必要なものを、必要な時に、必要なだけ揃えるためにはリースにするのがもっとも効率がいいんですよね。通常のリースと、購入を比較すると間違いなく購入した方が安価です。しかし、介護保険を利用する場合、リース代金の大部分を介護保険が負担してくれるので、2割負担としたら8割引ということになりますよね。この場合、リースと購入を比較して出す、損益分岐点が大きく変わります。20万円する介護ベッドを購入するとして、介護保険を利用したリースと比較して、買った方が安いと言えるのってどれ位使わなきゃいけないのかって話ですよ。(さすがに定価では買わないけど)
今のところ聞いた話では、特に(入院費を除いて)大きな金銭的な負担はないみたいです。
状態が変化して合わなくなった場合、別のものに交換できるので、特に値段の高いものについてはリースにするように言い含めています。

実家の家計において、固定費が上がりますが、これはそのうち父・母の通帳をチェックして、無駄な固定費を削減させるつもりです。父親名義の家族カードも作っておくか…。ものによって高齢者では契約ができないものがありますので、最悪、私名義で契約することも検討します。とりあえずは、先日実家に行ったときにある程度の金額を包んでおきました。いらないって言われましたけど、無理やり受け取らせました。以後は毎月仕送りしようかと考えています。
別に切り詰めるつもりはないのですが、実家へ仕送りしたいので、資金捻出のためにちょっとだけ節約しようと思います。

今後考えていること

デイケア / デイサービス

母が長時間の外出をする場合、父を一人にして転ばれたら起き上がれませんので、今のところ私が実家に呼び出されます。仕事のスケジュール調整が結構大変です。
在宅ワークなので、ノートパソコンが1つあれば仕事ができるように思われますが、セキュリティや顧客との契約に応じて自宅や決められた場所でしかできない仕事もあるのです。

父本人は嫌がるでしょうが、定期的にデイケア / デイサービスに行ってもらうことを検討しています。もともと、要介護認定の申請をした目的がそれで、母親に負担をかける父親が家にいない時間を増やそうかと。

デイケアに関しては機能回復を目的としていて、父親は体がボロボロなので、主治医のGOサインが必要だと認識していますが。デイサービスだったら間違いなく問題ないでしょう。
グダグダ言ったら、一喝してやるつもりです。
正直、父親のことはどうでもいいと思っているのです。当人も「ほっとけ」と言ってるのですから。
なので、父親は放っておいてもいいのですが、それで母親の負担が増えるのはいけない。母親は「放っておけ」とは言ってこないしむしろヘルプを求めてきている訳であって、母の負担を減らさないといけないです。
きちんと母の意思は確認していて、母親が「もう無理」となったら、父親は老人ホームにブチ込むなり、実家に放置するなりして、母親を引き取ることも考慮しています。

障害者控除

要介護認定を受けた場合、場合によって障害者所得控除を受けることができるらしいです。
国税庁のWEBサイトでは「介護認定を受けるだけでは障害者控除は受けられないぞ!」とわかりにくく書いてありますけど。


不親切にも程がありますよね、指定暴力団国税庁が!

これ市町村に申請出して認められればいいんですよね。

要介護認定 障害者控除 申請書 (自治体名)」でGoogle検索をかけると、自治体の申請書類があれこれ出てきます。認められるかどうかはわかりませんが、出すだけ出してみても損はないでしょう。

通った場合、両親は年金暮らしで収入が少ないため、控除額を増やして所得を落とすと、それだけ翌年の所得税・住民税・国民健康保険料が安くなるので、いろいろなものと組合わせることで、少なくとも金銭的にはある程度は持続可能になります。あとは母の体調と、意思次第です。意思があるからこそ、こういう方向で動いている訳ですから。

医療費控除

  • 入院費
  • 介護保険利用分
  • オムツ代

主治医に依頼したところ、オムツ使用証明書を書いてもらえました。
入院費用・各種介護保険を利用して揃えた物品はもちろん、意思の判断でおむつが必要であると判断され、証明書を書いてもらえば、おむつは医療費控除の対象になります。

障害者控除に加えて、これらの医療費控除で所得を落とすことができますので、所得税・住民税・国民健康保険料の減額に繋がります。まあ、大した額、減る訳ではないですけど。

別に介護に限った話ではありませんが、高額療養費制度というのがあります。食事代であると、いい部屋に入った時の差額ベッド代であるとか、入院着のレンタル費用(最近、レンタルが強制のところが多いみたいですね)などは高額療養費制度の対象になりませんが。
医療費の対象になる部分は天井がありますので。




また、高額介護合算療養費制度、というのがありまして。医療費と介護保険を利用した費用が、定められた上限額に達した場合、払い戻してもらえる制度があります。

厚生労働省のサイトでは非常にわかりにくいですけど。


公益財団法人長寿科学振興財団のWEBサイトでわかりやすく解説されています。病院での医療費と介護サービスの利用の合計値は、年単位で上限が決まっていることになります。例えば医療費が高額になり、より多くの介護サービスの利用をせざるを得なかった場合でも、実家の場合は私が月5万円、実家に仕送りをしたら、細々としたものを除いて賄えることになります。細々としたものは両親の負担になりますが、両親の年金はほぼそのまま生活費に使えることになりますね。
こういったことから、先日、母に会った時に「お金のことは何一つ心配しないでいい。一番、自分が楽になる選択肢を選んでください」と言いました。


所感

介護・健康保険システムのありがたさ

お陰さまで、ぶっちゃけ、入院費用以外は、大してお金かかってないのですよね。入院費用は、高額療養費の上限以上に請求されませんし食事代も上限が決まっています。入院着代などがかかりましたが。月2000円の都道府県共済に共済金を請求できるので大部分それで賄えるそうです。いちおう、「健康保険料とかが上がるから、もう保険いらないんじゃない?」って言いました。
ある程度の金額は包みましたし、これから継続して仕送りをしようとは思っていますが。それを除いた今までは、私が金銭的に支援しているのはふるさと納税を全部実家に回して、食費を軽減させているのと、父親のオムツ代くらいです。あとは楽天マラソンのポイント倍率調整で1000円くらいの食べ物を不定期に送る、とかですね。
妹夫婦も実家に対する支援というのは、通院などで車が必要な時に、車を出してもらうくらいです。それにかかるガソリン代以外の、金銭的な支援はしていないそうです。
あとは、モチベーションの問題になりますよね。母の意思があってこそですので。人は誰しも、自らの意思のもと自由に生きる権利があります。母が「もう介護しない」と決めたら、それはそれで、私はそれなりの事を考えて実行するでしょう。

しっかしまあ。私が1月に法人を作るときなんかは、手続がもうメチャクチャだったので「このクソ行政が!!」と思いましたけど。


介護・健康保険のシステムって本当によくできていて、ありがたいです。

今年に入ってから、介護保険や高齢者にまつわる税制度などについて色々と調べ物をしました。

だいたいの流れとして
  • 士業のYoutuberのざっくり解説動画を見る
  • そこで知った制度に関する国や自治体のWEBサイトを熟読する
  • 不明点は、市役所に電話をかけて質問 or 顧問弁護士 / 会計事務所に相談
としたのですけど。
介護絡みの相談だと市役所の皆さんとても親切で、聞いた以上の答えをくれます。いやぁ、ありがたいなぁ。

介護職の方への感謝とリスペクト

別に実家に関わって無くとも、介護職の方全般へは感謝を申し上げたいですね。
要介護認定の申請にあたって、実家付近の包括支援センターの方にかなりご尽力いただきました。



実家に帰るのは日曜が多く、包括支援センターは日曜日が休みなので、挨拶に行けていないのです。
要介護認定の場合、包括支援センターでなく市町村のケアマネージャーが担当をされるため、包括支援センターの方とのやり取りは途絶えてしまっています。
後日、必ず菓子折を持ってお礼をしに行くつもりでいます。

介護職の方は、非常に尊いお仕事をされていると思います。そういえば、私はもう親戚づきあいをやめましたので、詳しくは知らないのですけど。もう15年近く会っていない従姉妹も、どこかの自治体でケアマネジャーをしていると母から聞きました。

社会にとって必要な仕事が、必ずしも何かを生産する訳ではありません。
「必要な仕事=付加価値の生産性が高い」わけではないのです。この国では、エッセンシャルワーカーは、GDPへの寄与率が低いのです。

これは別に介護に限りませんね。
社会にとって必要な仕事が資本主義の世の中で重要になる付加価値をなかなか生産できず、結果、収益を上げにくいことがあるでしょう。
その結果、その職に就かれる方の待遇改善に繋がらず、離職に繋がります。
その結果、そういったエッセンシャルワーカー職は常に人手不足の状態になります。
人が足りないと、事業所そのものがサービスを提供できなくなり、更に収益が上がらなくなります。
こういう悪循環が起きているのでしょう。

したがって、なんでもかんでも民営化せずに、国営化しちゃうのも手だと思うんですよね。小泉改革以降の新自由主義的価値観を真っ向から否定するような論調になってしまいますけど。
そんなことを、特にこれを見て思いました。


くだらない事に税金を使わず、こういうところに税金を使っていけばいいと思いますよね。


[PR]



母のために、何かをしているとは思っていません。母の意思を最大限尊重したい、その為の手助けをしたい自分のためにやっています。「人のために何かをやる」というマインドセットを私は持っていません。「してやっている」という間違った考えが生まれてしまい、それがいずれ、「人のせい」になりますから。
私は、絶対にそういう人にはなりたくない。