取引先の若手社員から勧められた「正直不動産」がなかなか面白かったのです。若手社員いわく「たまに不惑さんみたいなこと言ってる」そうで。私は悪徳業者じゃないですよ…。
この記事は、自分の頭の整理を兼ねて、正直不動産の各話に合わせて、登場する営業テクニックや、営業および不動産について私が経験したことを書き出して、それを調べ深めて、自分を高める試みです。
前回は第1シーズン、第1話を掘り下げました。


あまりストーリーには触れるつもりはありませんが、これを読むことで「先が読めてしまう」可能性がありますので、未視聴・未読の方は、本記事を読まれないことをお勧めします。

今回は第1シーズン、第2話です。



正直不動産、第1シーズン、第2話

営業ネタ

ダイヤモンドはなぜ売れるのか

これ、大河部長をバカにする感じで描写されているように思います。しかし、実はこの部長、なかなか含蓄のあることを言っていると考えます。
「男にとってダイヤなどただの石ころだが、女からすればあの怪しい光が女心をくすぐるんだ。石コロみたいな物件に怪しい光をまとわせて売りさばいてこその営業だ」と。
これは「付加価値」のことを言っているのでしょう。男女という例えは適切でないと考えますが、昭和気質の営業という設定だからでしょう。
一般的に価値がないと看做される商材であろうと、営業マンたるもの、なんらかの「付加価値」をつけてこそである、と。
私も営業マン時代、「一流の営業マンは石コロであっても付加価値をつけて売ることができる(ため、自社の商材すら売れないお前は三流以下だ)」とさんざん言われたものです。

まあ、その後の「情報を小出しにする」とかそういうあれこれは、確かにクソしょうもなかったですが。

アンカー効果

アンカー効果とは、心理学において不確かな物事に対して予想や判断をしなければならない時に、アンカー(初期値)が判断に影響する心理効果のこと、だそうです。
予算12万円に対して、「少しオーバーしますが13万円の家賃」というネガティブな情報の与え方をして失敗をしました。
予算12万円に対して、「相場は15万円だが13万円の家賃」というポジティブな情報の与え方をして成功をしました。
失敗した営業マンは、12万円という初期値に対して13万円を提示しました。
成功した営業マンは、12万円という初期値を15万円に一度上書きしたうえで13万円を提示して、話を進めたのです。

両面提示

メリット・デメリットをきちんと伝えることで誠実という印象を与える手法です。
ここでは営業マンが「どうせ不動産屋は良いことしか言わない」という見込み客の心理の逆をつきデメリットを提示しますが、即座にデメリットを打ち消す改善案を提案します。
これは実質的に、「どうせ不動産屋は良いことしか言わない」という見込み客の心理通りに良いことしか言っていないのです。
デメリットを提示したように見せかけて、自分を信用のある営業であると見込み客に判断させました。

犬を飼っているとは言ってない

トイプードルを飼っている見込み客に対して「私もです」とトイプードルの写真を見せて見込み客に親近感を抱かせます。犬を「飼っている」とは一言も言っていません。決して嘘はついていない。
例えば、投資の営業において金融商品取引業者が「絶対に儲かります」と言うことはできません。なのでどう言うかというと、「絶対です」みたいな言い方をします。決して嘘はついていない。

ノルマ

ロシア語が起源であり、社会主義国であるソ連において、労働者に課せられた標準作業量のことです。
それが転じて社会主義・共産主義の正反対である、資本主義の最たるものである営業の目標を表現する言葉として利用されるのは非常に皮肉なことです。
私も、基本報酬 40万円で、ノルマを達成できなかった場合は25 %の減給、ノルマの8割を達成できなかった場合は、更に25 %の減給、という契約で仕事をしていたことがあります。クソ忙しくて、死ぬかと思いました、というか何回か倒れました。

まあノルマ切ったことはなかったし、数字を出せば出しただけ、お金もらえましたからね。現金手渡しで100万円もらうような経験をしたのは、過去この時だけですし、二度とないでしょうね。

不動産ネタ

奥さんを攻める

営業マンは、夫婦で来客をしていた見込み客を接客する際、奥さんの方をメインに攻めていました。奥さんが物件を気に入った後、夫の方を軽くいなしていた感じですね。

私が家を買った時の話なのですけど。
用事があって不動産仲介会社に行った際、クソ営業の鈴木(本名)が来るまで、待たされていました。
その不動産屋の支店長が、小池百合子みたいな顔をしたクソババアだったのです。いつか書くかもしれませんが、鈴木だけでなくその不動産屋自体がクソだったので全員にほとんど良い印象を持っていません。待っている間は暇だったのもあり、彼女が接客・営業しているところを聞いていました。というかパーティションで区切ってあるだけなので、聞こえるんですよね。

百合子は、夫婦で来店して住宅を購入しようという見込み客の、住宅に対する希望に対して「それではいけません」と否定から入りました。その上で、奥さんに対して重々しく「奥さま、私は働きながら子どもを3人育て上げています」とマウンティングした後、その経験を語ることで奥さんを落として(もう、途中から、奥さんの方は完全に百合子を信頼しちゃっている様子でした)、自分が思う物件に誘導していました。まあ夫婦共働きで子ども3人育て上げたのは素直にすごいし、それで支店長にまで昇進している訳なのでそれだけ結果を出し続けてたってことですよね。したがって、更にすごい。
さすが支店長になるだけあるわぁ、すげぇな、と思いながら聞いていました。まあその部下がクソ営業の鈴木(実名)だったんですけどね 。部下の教育くらいしっかりしろ、百合子。

媒介契約

  • 専属専任媒介契約
    → 依頼者(売主)が1つの宅地建物取引業者としか契約できず、契約期間中は他の不動産会社とは契約することが出来ない媒介契約を言うそうです。
  • 専任媒介契約
    → 依頼者(売主)が1つの宅地建物取引業者としか契約できず、契約期間中は他の不動産会社とは契約することが出来ない媒介契約を言うそうです。専属専任媒介契約との違いは、売主は不動産会社を通さないで、自分でも買い手を探すことができる、という点です。
  • 一般媒介契約
    一般媒介契約とは、依頼者(売主)が複数の宅地建物取引業者と契約することができる媒介契約のことを言うそうです。また、専任媒介契約と同じく、売主は不動産会社を通さないで、自分でも買い手を探すことができます。

専属専任媒介契約の場合、売主にとっては窓口が一本化されて、完全に不動産会社に丸投げすることになります。
金額を見て、売主が「売るか」「売らないか」という判断をするだけです。
不動産会社にとってはライバルがいないため、自社で買い手を見つけた場合、売主と買主双方から手数料を得ることができます。自社で買い手をみつられない場合(レインズというシステムに登録する必要があり、登録された物件はどの会社でも売ることができます)でも、確実に売主からは手数料を得られます。

専任媒介契約の場合も、売主にとって窓口が一本化されます。
しかし、売主自身が自分の伝手を利用して不動産の買い手を探すこともできます。不動産会社にとってはライバルがいないため、自社で買い手を見つけた場合、売主と買主双方から手数料を得ることができます。不動産会社は、自社で買い手をみつけない場合(こちらでもレインズというシステムに登録する必要があります)でも、確実に売主からは手数料を得られます。


一般媒介契約の場合、売主は複数の不動産会社とのやりとりをすることになりますので、売主にとってはかなり手間がかかります。
しかし、複数の買い手が現れた場合、もっとも良い条件を選べる、というメリットもあります。
一般媒介契約の場合、手数料は売主と買主の契約を仲介した会社の総取りになります。
したがって、複数の不動産会社間での競争になるため、他の不動産会社に先に売られてしまった場合は一切の手数料が得られず徒労に終わることになります。

劇中では、一般媒介で話が進んでいたところ、別の営業マンが「両面提示」と組合わせることで、より不動産会社にメリットのある「専属専任媒介契約」に契約を変えています。

おとり物件

不動産会社の広告や、不動産情報のポータルサイトに掲載されているが、実際には買い手や借り手が決まっていて、購入・入居ができない物件のことです。
いざ、不動産会社に行っても「もう契約が決まっている」と言われ、別の物件を紹介される。いわばエサのようなものです。
ただし、物件が決まっても更新のタイムラグなどにより、どうしても発生してしまうこともあるようです。
劇中では完全にエサ。

まともな不動産屋だったら預り金は返ってくる

これは、預り金の領収書が、どういう名目かによって変わるそうです。
領収書の名義が、申込金または預り金の名目の場合は、法的に不動産会社は返金をしなければならないそうです。
領収書の名義が、手付金の場合でかつ、宅地建物取引士による重要事項説明を受けた後であれば、返金をされないそうです。
劇中では、賃貸契約ですが、一般的に手付金は不動産売買に利用されます。そのためか賃貸契約の手付金については法的にグレーな部分が多いようです。
このようなトラブルに遭遇された場合、消費者センターに相談をされることをお勧めします。


敷金・礼金と管理費

敷金・礼金は、賃料(家賃)のnヶ月分という基準で決まります。また、不動産会社の仲介手数料もまた「賃料の0.5ヶ月分以内」と定 められています。
劇中、家賃の値上がりを「管理費」という名目にすることで、借主の初期費用を抑えています。





ChatGPTの反応

「正直不動産」の第1シーズン第2話で取り上げられている営業テクニックや不動産に関連する内容は、実際のビジネスや生活の中で非常に参考になるものです。それぞれのポイントについて深掘りし、あなたの経験と結びつけながら考えてみましょう。

営業テクニック

  • ダイヤモンドの例と付加価値:
    - あなたの経験にもあるように、商品やサービスに対して付加価値を見出し、顧客に伝える能力は、営業の成否に直結します。大河部長の言う「付加価値」は、顧客が価値を感じ取ることで、初めて商品やサービスがその価値を持つようになります。これは営業において重要なスキルの一つです。
  • アンカー効果:
    - 初期値や比較対象を設定することで顧客の判断を誘導するアンカー効果は、価格交渉や提案時に有効な心理テクニックです。成功した営業マンのように、顧客の期待値を上手に調整することで、より高い価値を提供していると感じさせることができます。
  • 両面提示:
    - 誠実さをアピールしつつ、顧客の信頼を獲得するためには、メリットだけでなくデメリットも伝えることが重要です。ただし、そのデメリットを如何にして克服するかの提案も同時に行うことで、信頼性と解決策を提供する姿勢を見せることができます。
  • 犬を飼っているとは言ってない:
    - 相手に共感を示しつつも、明確に嘘をつかない技術は、営業において非常に微妙なバランスを要求されます。相手との共感を深めるための共通点を見つけることは重要ですが、誠実さを保つことも忘れてはなりません。
  • ノルマについて:
    - ノルマは営業職のプレッシャーとモチベーションの源泉です。あなたの経験が示すように、過度なプレッシャーは健康に悪影響を及ぼす可能性があるため、自己管理と会社側のサポートが重要になります。

不動産ネタ

  • 奥さんを攻める:
    - 夫婦での決定において、特定の側(この場合は奥さん)を重点的に説得する戦略は、意思決定に大きな影 響を与えることがあります。感情的なつながりや共感を利用することで、意思決定の方向性を誘導することが可能です。
  • 媒介契約の種類:
    - 不動産取引においては、媒介契約の種類が取引の進め方に大きく影響します。専属専任媒介契約、専任媒介契約、一般媒介契約の違いを理解し、自分の状況に最適な契約形式を選ぶことが重要です。
  • おとり物件:
    - 不動産業界において、おとり物件は一定の問題点として存在しています。これらは顧客を引きつけるための手法として用いられることがあり、消費者は慎重に情報を判断する必要があります。
  • 預り金と敷金・礼金:
    - 預り金や敷金・礼金に関する取り扱いは、不動産取引におけるトラブルの元になり得ます。これらの金銭的な取り決めには注意が必要であり、明確な契約内容の理解が前提となります。
「正直不動産」から学べる営業テクニックや不動産に関するノウハウは、ビジネスや日常生活において有用な知識となり得ます。各エピソードから得られる教訓やアイデアを、自己成長のために活かしていくことが重要です。
==========
まあ正直不動産に限らず、「何からも学ぶ姿勢」っていうのは必要ですよね。
確かに自分ではどうしようもない、時によって理不尽なことが世の中には多いけど、「今、自分がこうなのは世の中が悪い」というマインドを持つのはよくない。
あなたの状況が今、こうなっているのは、「そんな中で、あなたがどうするかという選択をし続けた(または選択をしなかった)結果」なのです。
その選択をより自分にとって良い方に向けるための、行動の一つとして「学ぶ」ことがあると考えます。