昔、協業してる会社の若手社員に「節税とか、将来の備えとかどうしてますか?」と聞かれた時の話です。これ、私は「どうしたらいいのかわからないので情報をください」と解釈したのですけど。
確か何かの反省会で、場所は新橋の焼肉屋だったかな。安いけど、それでいてとても美味しいお店なのですが、2時間制で時間がくるとスパっと追い出されるので、私は彼の相手をするよりも、焼肉を食べたかったのです。むしろ焼肉を食べるのに忙しくて、彼の相手なんて面倒くさくて、雑に相手をしてしまいました。
若「不惑さん。節税とか、将来の備えとかどうしてますか?」
私「君は結婚したいの?」
若「はい、したいです」
私「じゃあとりあえず貯金250万円作りなさい、それより焼肉食おうぜ」
これだけです。これだけで話を終わらせてしまいました。焼肉おいしかったです。
その日から、1年と少し経った後くらいのお話。
場所はどこか忘れたのですが、多分上野あたりだったのかな。また、その若手社員が同じこと聞いてきまして。
若「不惑さん。節税とか、将来の備えとかどうしてますか?」
私「君は結婚したいの?」
若「はい、したいです」
私「じゃあとりあえず貯金250万円作りなさい」
若「いや、それは去年、不惑さんに言われてもう貯まったんです」
私「あ、ほんと?(言ったっけ?)」
おっ?!コイツやるな、と思いましたね。ぶっちゃけ、そう言ったこと忘れてましたから。彼はきちんと覚えていて、なんでかもわからずに、とりあえず250万円貯めたんですね。行動力が素晴らしいですね、こういう行動力のある子は男女問わず大好きです。せっかく相談してくれたのであれば、その行動力が良い方に回るようにしてあげないとですね。
その後、いろんな話をしたんだけど、いくつかの項目に分けて、当時の会話を再現してみましょう。
私「結婚式の費用がざっくり300万円だとするじゃん。結婚相手と折半すると150万、あと結婚指輪の費用がざっくり100万、で計250万円。それが君のライフイベントの中で考えられる最大の支出だと思ったから。君自身が、もっとかかると思うんだったら貯金増やせばいい。そんなかかんないと思えば減らせばいい。あくまでざっくりだから。君はこないだ怪我して膝にボルト入れたり抜いたりしよね?医療費いくらだった?」
若「50万円くらいっすかね」
私「そういう時のお金はその250万円から出そう。で、落ち着いたら最優先で250万円に戻す。」
※ 彼の給与の額面は30万円程度だと事前に知っていました。半年分の給与額面以上の貯金なのでかなり手堅い
若「まあ俺、彼女いないっすけどね(笑)」
私「そこはがんばんなょ、結婚したいんでしょ(笑)」
若「いま課金しました!」
私「はやっ?!家帰ってから色々登録しなね」
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若「PayPayはどうっすか?」
私「PayPayはあんまりよくない。PayPay残高はMoney Forward MEで管理できないし、PayPay残高で投資信託も買えないでしょ?(※1)」
若「なるほど、調べてみますが不惑さんはどれにしてます?」
私「楽天とau両方。仕事用とプライベートの携帯分けてるから、俺はいいとこどりしてる。で、そのポイントは投資すんの。具体的には、証券会社で投資信託を買う。投資は余剰資金で、というけどポイントなんて余った金の筆頭なんだからどんどん投資したらいいよ」
※1) 当時の話。2024年現在、PayPayはPayPayカードによる「あと払い」が主流になっていて、この場合はクレジットカードの利用明細をMoney Forward MEで確認できる。また、PayPay証券でPayPayポイントを使って投資信託が購入できる。使い勝手がちょっと悪いけど
彼「NISAと積立NISAってありますけど、どっちがいいと思います?」
私「保有期間や月に積立ができるお金の余裕にもよるけど、基本的には積立NISAのほうがいいと思う。非課税期間が全然違うから(※2)。あまったらiDeCoだけど、60歳まで引き出せないので、額は慎重に決めるべき。何かあった時に引き出すことを考えると、特定口座で投資信託を買った方がいいかもしれない。」
彼「投資信託って何買ったらいいですかね?厚切りジェイソンの本は読んだんですけど」
私「厚切りジェイソンを俺知らないんだけどさ、なんて言ってるの?」
彼「VTI(全米株式インデックス)がいい、基本的に右肩上がりだから、ですかね」
私「あー、なるほど。投資は自己責任だから、話半分に聞いて欲しいんだけど。VTIも悪い選択肢ではないけど、オールカントリーのインデックスファンドの方が良いと思うよ。調べてごらん。地球レベルで見ると人口は増え続けていて、各国はその増える人口に対して食べ物やインフラを用意しなければいけない。世界はそうやって経済成長していくから。これが"右肩上がり"の理由。アメリカの人口も増え続けているから投資の対象にするのは悪い選択肢ではないけども。俺はオールカントリーとかVTIよりもリスクとってS&P 500にしてる。俺はよく"どうせこの国(日本)は滅ぶから"って言って、それに対して皆笑ってるけどさ、あれ冗談じゃなくて本気なんだよね。この国はこのままだと人口が減って滅ぶと思ってる。だから、個別に国内の株を買うことはたまにあるけど、インデックスファンドの投資対象には入れてない。極端な話、この国はなくなるかもしれないけど、トヨタがなくなるとは思わないんだよね」
※2) 積立NISAの非課税期間は20年で、NISAは5年だった。2024年よりNISAと積立NISAが統合されていわゆる新NISAになったが、当時は分れていてどちらかしか選べなかった
私「フリーランスと、サラリーマンを一緒に語れないんだけど。基本的には節税なんて考えるべきではない。なぜかというと、節税をするためには、減らせる税金以上のお金を使わなければならない。だから、税金はきちんと払った方が手元に金が残る。なので、資産を作れる節税方法があれば、それをするべき。サラリーマンだったら、基本的にはiDeCo一択で他はやらなくていいんじゃないのかな。サラリーマンなら最大23,000 * 12ヶ月で年276,000円の控除が受けられるので、税金が減る。ただ、さっき言った通り、60歳までは引き落とせないので、いざ金が必要になった時にアテにはできない(※3)」
彼「ふるさと納税はどうでしょう?」
私「あれは厳密には節税ではなくて、来年の税金を先払いする代わりに返礼品がもらえる制度。税金が減っている訳ではないので節税ではない。もちろん限度額までやった方がいいけど、あくまでお金に余裕があれば、来年の税金を前払いする、と考えよう」
※3) また、いざ60歳になってiDeCoで積み立てたお金を受け取る際、年間として受給するか一時金として受給するかを選べる。一時金として受け取る場合、退職所得扱いになる。先日、退職所得の控除が減らされた(増税された)ばかり。散々、「iDeCo得だよ、皆やりな!」と煽っておいてこれだから、やはりこの国の政府は信用できない
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彼「証券会社はどこがいいですか?」
私「経済圏にあわせるのが基本だけど、経済圏無視したら、楽天/SBI/マネックス/auカブコムのどれかであればどこでもいいよ。積立NISAはカードで積み立てるのがポイントついて、それを再投資できるから素晴らしいよね。なので、楽天証券かな(※4)。ただしiDeCoだけは楽天証券やめた方がいい。投資信託のラインナップがよくなくて、NISAと一緒にiDeCo開設したけど後悔している」
※4) 2024年3月現在、SBI証券 × 三井住友プラチナプリファードがベスト。ただし、年会費が高いので、ベターな選択肢としてSBI証券 × 三井住友カードゴールド(NL)
そんな感じで、仕事では決して見せない興味を示してきたので、お互いに酔っ払うまで説明しました。だって、1年以上前に言ったこと(しかも私は忘れている)覚えていてくれていて、きちんとその通りにした上ですからね。これは、相談されたらきちんと聞いて、説明しないと失礼でしょ。
しかし、アイツと飲んだのってもう3年前くらいかな。時間が経つのって早いなぁ。彼が異動になってから彼と飲みに行くこともなくなりました。
もし今度、会う機会があったら、いくら貯まった?って聞いてみよう。私より貯め込んでそうな気がする。
確か何かの反省会で、場所は新橋の焼肉屋だったかな。安いけど、それでいてとても美味しいお店なのですが、2時間制で時間がくるとスパっと追い出されるので、私は彼の相手をするよりも、焼肉を食べたかったのです。むしろ焼肉を食べるのに忙しくて、彼の相手なんて面倒くさくて、雑に相手をしてしまいました。
若「不惑さん。節税とか、将来の備えとかどうしてますか?」
私「君は結婚したいの?」
若「はい、したいです」
私「じゃあとりあえず貯金250万円作りなさい、それより焼肉食おうぜ」
これだけです。これだけで話を終わらせてしまいました。焼肉おいしかったです。
その日から、1年と少し経った後くらいのお話。
場所はどこか忘れたのですが、多分上野あたりだったのかな。また、その若手社員が同じこと聞いてきまして。
若「不惑さん。節税とか、将来の備えとかどうしてますか?」
私「君は結婚したいの?」
若「はい、したいです」
私「じゃあとりあえず貯金250万円作りなさい」
若「いや、それは去年、不惑さんに言われてもう貯まったんです」
私「あ、ほんと?(言ったっけ?)」
おっ?!コイツやるな、と思いましたね。ぶっちゃけ、そう言ったこと忘れてましたから。彼はきちんと覚えていて、なんでかもわからずに、とりあえず250万円貯めたんですね。行動力が素晴らしいですね、こういう行動力のある子は男女問わず大好きです。せっかく相談してくれたのであれば、その行動力が良い方に回るようにしてあげないとですね。
その後、いろんな話をしたんだけど、いくつかの項目に分けて、当時の会話を再現してみましょう。
◆ 生活防衛費について
若「ところで、なんで250万円なんですか?」私「結婚式の費用がざっくり300万円だとするじゃん。結婚相手と折半すると150万、あと結婚指輪の費用がざっくり100万、で計250万円。それが君のライフイベントの中で考えられる最大の支出だと思ったから。君自身が、もっとかかると思うんだったら貯金増やせばいい。そんなかかんないと思えば減らせばいい。あくまでざっくりだから。君はこないだ怪我して膝にボルト入れたり抜いたりしよね?医療費いくらだった?」
若「50万円くらいっすかね」
私「そういう時のお金はその250万円から出そう。で、落ち着いたら最優先で250万円に戻す。」
※ 彼の給与の額面は30万円程度だと事前に知っていました。半年分の給与額面以上の貯金なのでかなり手堅い
◆ 一人暮らしについて
私「君は○○(東京23区)で実家暮らしだよね、"自立しろ"とか"子ども部屋おじさん"とかそういう意味のことを外野に言われても絶対に実家は出ない方がいい。誰が言ってんのかわからないインターネットスラングの価値観にあわせて、わざわざ自分が有利な状況を手放す必要はない。実家にいくら入れてるか知らないけど、親を養っているレベルのことをしていない限り、大抵の場合は、一人暮らしの方がよほど金がかかる。○○からであれば君の会社だと十分通勤圏内なので、一人暮らしをするとなると、それより条件の良いところを選ぶだろうけど。そうしたら間違いなく家賃が高い。君の場合は、実家を出るのは、結婚を考えた彼女と同棲をして家賃を折半できる状態になったらしなさい」若「まあ俺、彼女いないっすけどね(笑)」
私「そこはがんばんなょ、結婚したいんでしょ(笑)」
◆ お金の管理について
私「Money Forward MEというアプリがあるんだけど。これを入れて、有料版にしよう。登録できる金融機関やECサイトは全部登録して、もし登録できない金融機関があったらそこは使うのやめよう。これは自分の資産を棚卸しするのと、自分の金の出し入れを管理するためだね。節約をしろと言っているのではなくて、金をきちんと管理するのが大事。きちんと管理さえしていれば、たまには使いすぎてもいい。使いすぎたら反省をするから。反省して、それを繰り返すのはただの愚か者なんだけど、さすがにそれはしないでしょ。あと、現金は管理が面倒なので極力使わないこと。とにかく決済はクレジットカードを使う。ポイントついたらそれは投資に使う」若「いま課金しました!」
私「はやっ?!家帰ってから色々登録しなね」
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◆ 経済圏について
私「例えば、楽天経済圏とかau経済圏とか、docomo経済圏とかいろいろ聞いたことあると思うんだけど。だいたい、クレジットカード・証券・銀行・携帯電話キャリアの組み合わせなんだけど、まずはそれに属すことからだね」若「PayPayはどうっすか?」
私「PayPayはあんまりよくない。PayPay残高はMoney Forward MEで管理できないし、PayPay残高で投資信託も買えないでしょ?(※1)」
若「なるほど、調べてみますが不惑さんはどれにしてます?」
私「楽天とau両方。仕事用とプライベートの携帯分けてるから、俺はいいとこどりしてる。で、そのポイントは投資すんの。具体的には、証券会社で投資信託を買う。投資は余剰資金で、というけどポイントなんて余った金の筆頭なんだからどんどん投資したらいいよ」
※1) 当時の話。2024年現在、PayPayはPayPayカードによる「あと払い」が主流になっていて、この場合はクレジットカードの利用明細をMoney Forward MEで確認できる。また、PayPay証券でPayPayポイントを使って投資信託が購入できる。使い勝手がちょっと悪いけど
◆ 資産運用について
私「繰り返すけど、貯金の250万円は怪我とか急に大きなお金が必要になった時以外は、絶対に手をつけない。楽天銀行と楽天証券に口座作って連携させれば利息がメガバンクよりはいいから、そこに突っ込んでおけばいいよ。あと、生活していてあまったお金はNISAや特定口座、iDeCoに突っ込めばいい」彼「NISAと積立NISAってありますけど、どっちがいいと思います?」
私「保有期間や月に積立ができるお金の余裕にもよるけど、基本的には積立NISAのほうがいいと思う。非課税期間が全然違うから(※2)。あまったらiDeCoだけど、60歳まで引き出せないので、額は慎重に決めるべき。何かあった時に引き出すことを考えると、特定口座で投資信託を買った方がいいかもしれない。」
彼「投資信託って何買ったらいいですかね?厚切りジェイソンの本は読んだんですけど」
私「厚切りジェイソンを俺知らないんだけどさ、なんて言ってるの?」
彼「VTI(全米株式インデックス)がいい、基本的に右肩上がりだから、ですかね」
私「あー、なるほど。投資は自己責任だから、話半分に聞いて欲しいんだけど。VTIも悪い選択肢ではないけど、オールカントリーのインデックスファンドの方が良いと思うよ。調べてごらん。地球レベルで見ると人口は増え続けていて、各国はその増える人口に対して食べ物やインフラを用意しなければいけない。世界はそうやって経済成長していくから。これが"右肩上がり"の理由。アメリカの人口も増え続けているから投資の対象にするのは悪い選択肢ではないけども。俺はオールカントリーとかVTIよりもリスクとってS&P 500にしてる。俺はよく"どうせこの国(日本)は滅ぶから"って言って、それに対して皆笑ってるけどさ、あれ冗談じゃなくて本気なんだよね。この国はこのままだと人口が減って滅ぶと思ってる。だから、個別に国内の株を買うことはたまにあるけど、インデックスファンドの投資対象には入れてない。極端な話、この国はなくなるかもしれないけど、トヨタがなくなるとは思わないんだよね」
※2) 積立NISAの非課税期間は20年で、NISAは5年だった。2024年よりNISAと積立NISAが統合されていわゆる新NISAになったが、当時は分れていてどちらかしか選べなかった
◆ 節税について
彼「節税ってどうしてます?」私「フリーランスと、サラリーマンを一緒に語れないんだけど。基本的には節税なんて考えるべきではない。なぜかというと、節税をするためには、減らせる税金以上のお金を使わなければならない。だから、税金はきちんと払った方が手元に金が残る。なので、資産を作れる節税方法があれば、それをするべき。サラリーマンだったら、基本的にはiDeCo一択で他はやらなくていいんじゃないのかな。サラリーマンなら最大23,000 * 12ヶ月で年276,000円の控除が受けられるので、税金が減る。ただ、さっき言った通り、60歳までは引き落とせないので、いざ金が必要になった時にアテにはできない(※3)」
彼「ふるさと納税はどうでしょう?」
私「あれは厳密には節税ではなくて、来年の税金を先払いする代わりに返礼品がもらえる制度。税金が減っている訳ではないので節税ではない。もちろん限度額までやった方がいいけど、あくまでお金に余裕があれば、来年の税金を前払いする、と考えよう」
※3) また、いざ60歳になってiDeCoで積み立てたお金を受け取る際、年間として受給するか一時金として受給するかを選べる。一時金として受け取る場合、退職所得扱いになる。先日、退職所得の控除が減らされた(増税された)ばかり。散々、「iDeCo得だよ、皆やりな!」と煽っておいてこれだから、やはりこの国の政府は信用できない
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彼「証券会社はどこがいいですか?」
私「経済圏にあわせるのが基本だけど、経済圏無視したら、楽天/SBI/マネックス/auカブコムのどれかであればどこでもいいよ。積立NISAはカードで積み立てるのがポイントついて、それを再投資できるから素晴らしいよね。なので、楽天証券かな(※4)。ただしiDeCoだけは楽天証券やめた方がいい。投資信託のラインナップがよくなくて、NISAと一緒にiDeCo開設したけど後悔している」
※4) 2024年3月現在、SBI証券 × 三井住友プラチナプリファードがベスト。ただし、年会費が高いので、ベターな選択肢としてSBI証券 × 三井住友カードゴールド(NL)
そんな感じで、仕事では決して見せない興味を示してきたので、お互いに酔っ払うまで説明しました。だって、1年以上前に言ったこと(しかも私は忘れている)覚えていてくれていて、きちんとその通りにした上ですからね。これは、相談されたらきちんと聞いて、説明しないと失礼でしょ。
しかし、アイツと飲んだのってもう3年前くらいかな。時間が経つのって早いなぁ。彼が異動になってから彼と飲みに行くこともなくなりました。
もし今度、会う機会があったら、いくら貯まった?って聞いてみよう。私より貯め込んでそうな気がする。
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