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シン・ウルトラマンのメフィラスってとてもいいキャラをしていますよね。山本耕史という俳優さんが演じていらして、気になったのでWikipediaで調べてみたんですが、見たことある出演作品ではまったく印象に残っていませんでした。「さんかくはぁと」って懐かしいな、山本太郎がでていたのはなんとなく覚えていました。
シン・ウルトラマンの演出が良かったから印象に残っただけかな。
「割り勘でいいか?ウルトラマン」というセリフはシュールで、本当に笑いました。

シン・ウルトラマンのメフィラスは故事成語・諺・格言をありがたがるように見えました。
でもまあ故事成語や諺、格言をありがたがるのは、おそらく漢字文化圏に共通する特徴なのではないでしょうか。西洋はどうなのでしょう。「ローマは一日にして成らず」みたいな言葉はありますが。宇宙人、ましてメフィラス星人はよくわかりません(笑)。
話を戻すと、もちろんそれぞれから学ぶことがあるのは確かですが「はぇ〜」と盲信してしまうのは危険だと思います。そもそも格言や故事成語、諺の中には矛盾するものがありますから。盲信してその通りにすると矛盾した行動をとってしまうことにも繋がりかねません。

さて。メフィラス風のタイトルですが、「継続は力なり」という言葉を私は好きではありません。
この言葉を使う人は大きく3パターンいると考えます。
① 格言を盲信する人
② 何かしら、過去に継続できなかったことを後悔していて、継続していたら自分は良い方向に回れていたはずだという根拠のない自信を持っている人
③ 継続した結果、良い方向に回った人

もしあなたの目の前に「継続は力なり」と言っている人がいたとして、それがいかに無責任で的外れなことか、私の考えを書いていきます。



まずパターン①「格言を盲信する人」の場合。
論ずるに値しません。
何らかの他人の言葉を借りてで自分を大きく見せたいだけであり、あなたのことなんて微塵も考えていないのではないかと考えます。

次にパターン②「何かしら、過去に継続できなかったことを後悔していて、継続していたら自分は良い方向に回れていたはずだという根拠のない自信を持っている人の場合。
こういった方々は、自分の失敗や挫折を振り返り、単純に「もっと継続さえしていれば成功できたはずだ」と、過去の失敗や挫折を「継続できなかったこと」に帰しているだけだと考えます。もっと他にも原因はあったはずで、「継続さえすれば成功していた」ということは、あり得ません。的外れであると私は考えます。

最後にパターン③「継続した結果、良い方向に回った人」の場合。
おそらくもっとも、多いパターンではないでしょうか。文脈にもよりますが、単なる生存者バイアスでしょう。自分の成功体験をもとに善意で言ってきているので非常にタチが悪いですよ。
まず、こういうタイプの人も「継続」と「成功」をはき違えています。継続することと成功することは異なります。
極端な話なのですが、プロ野球選手になるためにソフトボールを継続して頑張ってプロ野球選手になれますか?まずなれませんよね。野球をいくら頑張ってもプロ野球選手になれない人の方が多いのに。
北海道日本ハムファイターズに大嶋匠というソフトボール出身の異色のプロ野球選手がいましたが、あれは例外中の例外です。基本的には、間違った努力を継続しても、成功することはできません。

もちろん継続することは大切で、そこは否定しません。しかしそれよりも大切なのは継続をするにあたってPDCAを回すことや、効果測定を行うことで、常に正しい方向性に修正していくことだと考えます。こういった継続することが目的になっているような方々のアドバイスは「無責任」で「的外れ」だと私は思います。

いきつけの、地元の居酒屋でアルバイトをしていた若い子たちが就職してお店を辞めた後、お店に飲みに来ることがあるのです。仕事の愚痴や相談なんかをされることもあります。
私は「責任はとれないから最終的には君が決めることだけど、合わないならやめちゃえば?私は転職を繰り返して給料を上げていった人間だから。一定期間は働かないと再就職の面接で落ちやすくなるけど、2,3年続けたんなら十分でしょ。」とか言いますね。
私は「我慢して働き続けなさい、継続は力なり」なんて絶対に言いませんよ。私は「我慢して働き続けなさい、継続は力なり」などと散々言われましたが、我慢して働き続けないでよかったと思っています。まあこれもまた「生存者バイアス」です。

ところで、先日、私がサラリーマン時代に面接をした方と会ってきました。Aさんとしましょう。
Aさんは私の2歳年上です。高校を卒業して、音楽の専門学校に進学して卒業後、バンドをやりながら音楽関係の仕事をしていましたが、結婚を機にバンド活動を辞めて、私と同じ業界に飛び込んできたと聞いています。業界2社目の転職活動をしており、当時の会社では、私は部門長という立場で面接をしました。私がOKを出せば、あとは形だけの社長面接(という名の飲み会)だけでした。
Aさんはこの転職を機に、地方から関東に移住をしようとしていました。彼の当時の給料は、都内にある企業と比較して破格に安く、当時私がいた会社は彼に倍以上の給与を約束できたくらいです。
面接の中で、私はAさんを非常に優秀な方だと感じました。なので、どうしてもAさんを採用したかったのですが、他社がこんな人材を見逃すはずがないとも思いました。小さい会社でしたので給与はともかくとして、福利厚生や安定性は業界大手には勝てません。大手や他社と勝負するためには、私が誠意を見せるしかないと考え、Aさんの上京準備(or関東への移住)にあたってかなり相談に乗り、手伝いもした記憶があります。実際その後、Aさんは誰もが名前を知っている大手企業をはじめとした複数社の内定を得ています。あとは彼がどうするか決めるだけです。
Aさんと数ヶ月間、コミュニケーションをとっているうちに、私はだんだんAさんのことが人として好きになってきました。結果、私はAさんを会社に迎えることなんかどうでも良くなっていて、「Aさんを助けるために何ができるか」という思考になってきました。
その結果かどうかはわかりませんが、Aさんは「ここまで不惑さんにご尽力いただいて。不惑さんのいらっしゃる会社のお世話になるか、(大手企業)のお世話になるかでとても悩みます」と言ってくださいました。
しかし、私は「(大手企業)が合わなかったらいつでもウチには来られる。ただ逆は無理なのだから、(大手企業)に行きなさい。そんな事より上京して落ち着いたら、すぐに連絡をください。ウェルカムパーティーを開くよ!」と言いました。
最終的に、Aさんは誰もが知るような大手企業に転職をして、現在もその会社で働いています。

久々に会ったAさんから「ご報告なんですけど…」と言われたことなんですが。
「やっと大学を卒業できました。今年から大学院です」
Aさんは、大手企業で働きながら8年かけて海外の、オンラインで講義を受けられる通信制大学で、業界に関連する学部に挑戦してとうとう卒業したのです。そして、今年から大学院に挑戦するそうです。

面接の前、Aさんから送られてきた履歴書と職務経歴書を見たときに、私は驚きました。異なる業界から、同じ業界に入ってきて1年に最低一つ必ず資格を取得していました。
面接の際、「資格を持っていること自体は評価しません。資格を持っていても実務ができない人なんていくらでもいる。私は、あなたが継続して努力をする力を持っていることを非常に高く評価します」と言ったのですが、Aさんはそれを覚えていてくださいました。

私は、彼を心から尊敬しています。彼は、私の憧れの人でもあります。
何が言いたいかというと、思うに「力のないものは継続などできない」ということ。まず継続する力をつけよう。でも、「継続する力」ってどうやったら付くのでしょうね。わかんないや。

Aさんと久々にお酒を飲んだのは、私にとってあまりにも楽しい時間でした。気持ちよく酔った結果、帰りの電車の中で寝てしまって乗り過ごし、帰りのタクシー代が2万円くらいかかりました、というオチを、蛇足ながら🤣