はじめに
先日、またしても仕事のスケジュールがぽっかり24時間空いた。こちらが何かうまく立ち回った結果ではなく、従事しているプロジェクトの進行がぐだぐだになっただけである。プロジェクトマネージャーがポンコツだからなのだが、とにかく最近は予定がやたら狂う。この振れ幅の大きさが地味にしんどい。プロジェクトマネージャーを助けてあげてもいいのだが、助けたところで金がもらえる訳でもない。助けて欲しければ彼は、外注である私にきちんとその代価を払うべきなので、それがない以上は大人として放っておいている。
こういう不意にできた時間こそ、たまった事務作業を片付けるべきなのだろう。実際、期限のある雑務はいくらでもある。だが、最近の忙しさにはさすがに少し辟易していて、「空いたから事務作業をやるぞ」という前向きな気分にはなれなかった。そもそも事務作業をしたところで売上は上がらない。必要ではあるが、気持ちは上がらない。そういう種類の仕事である。
そんな時、ふと思い出した。どうしても行きたかった博物館の企画展があったのに、1月と2月、それぞれ彼女の短期入院が重なって見送っていたのだった。先延ばしにしていた感覚が、ふと胸のあたりに引っかかった。
こういう時は、以前にもやったアレをするしかない。そう、「ドミ活」である。
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博物館で展示を見て、風呂に入り、宿にこもる。そうして私は高崎へ向かった。なお、この文章は新幹線の中で下書きだけして、そのまま放置していたものをもとにChatGPTに仕上げてもらった。相変わらず四十肩と腱鞘炎はよくならない。
土偶・ドミ活
土偶(群馬県立歴史博物館)
高崎駅から循環バスに乗って「群馬の森」へ向かう。「群馬の森」には群馬県立近代美術館と群馬県立歴史博物館があるのだが、訪れた時は近代美術館が臨時休館中だった。
昼食は、近代美術館のレストランを当てにしていたのだが見事に外れた。もともと「群馬の森」はその名の通り辺鄙なところで、車がなければ周辺で気軽に何か食べられるという立地でもない。食事の選択肢もかなり限られていて、蕎麦屋くらいしか見当たらなかったのだが、その日はどうにも蕎麦の気分ではなかった。
その代わり、ありがたいことにキッチンカーが出ていた。公園のベンチに座って焼きそばを食べ、なんとなく自販機で買ったしまった缶のコカ・コーラ ゼロを流し込む。普段はコーラなんて飲まないのに。青空の下で食べるにはずいぶんジャンクな組み合わせだが、むしろそういう雑さがちょうどよかった。その場にあるものを雑に食べる感じが、今回の現実逃避には合っていた気がする。

腹ごしらえをしてから、目的の群馬県立歴史博物館へ。企画展では土偶を存分に堪能した。土偶はいい。時代も用途も簡単には割り切れないのに、目の前にあると妙に「わかる気がする」感じがある。実際には、私は何一つわかってはいないのだが。
アスファルトで目を表現した土偶
遮光器土偶
常設展もよかった。とくに国宝展示室で見た埴輪のうち、「三人童女」がよかった。かわいい。国宝を見て第一声が「かわいい」なのはどうなのかと思わなくもないが、実際かわいいのだから仕方がない。

それから石棒である。チ〇コ(ド直球)。

ドミ活
企画展・常設展と、博物館を堪能したあとは、再び循環バスで高崎駅へ戻る。もうこの時点で満足していたし、ほかに観光する気はまったくなかった。面倒くさい。今回も街歩きが目的ではない。ドーミーインに行きたいのである。行き先が単なるビジネスホテルであることに、いっさいの迷いはない。土偶のあとのドミ活を満喫してこそ、今回の現実逃避は完成するのだ。
ドーミーインへ向かう途中、コンビニに立ち寄って酒とつまみを買い込んだ。こういう時は値段を見ないようにしている。理性がなくなるというより、「今日はこれでいい」という気分になるのだ。チェックインを済ませ、缶ハイボールと冷やしておくべきつまみを冷蔵庫に放り込んで、まずは風呂へ直行する。ドーミーインに来て部屋でくつろぐ前に大浴場へ向かう、この一連の流れには無駄がない。
大浴場とサウナを堪能する。湯上がりのアイスはあるが、そこはスルーする。甘いものはあまり食べないのだ。サービスだからといって、受けなければ損という損得勘定は捨てている。そのまま部屋へ戻って、買い込んだ酒とつまみで一杯、いや沢山やる。さらにiPadを開いて、買ったまま積んでいた本を読む。しかし、読んでいたのは仕事関係の本である。仕事から逃げに来ているのに仕事の本を読むのはどうなんだという気もするが、ゆっくり本を読む時間そのものが最近ほとんどないのだから仕方ない。
本を読んで、飽きたらまた風呂に行く。酒を飲んだらサウナには入らない。そのへんの線引きだけは守る。夜は夜鳴きそばも食べた。飲んだあと、ちょっと遅い時間に食べるラーメンはなぜあんなにうまいのか。

そのまま、だらだらした幸福の延長で寝落ちした。翌朝は6時半に起きて朝食へ。ご飯を3杯おかわりした。ドーミーインの朝メシはうまい。朝からしっかり食べると、それだけで旅行の満足度がひとつ上がる気がする。

食後にまたひとっ風呂浴びて、夜のアイスとは異なり朝の乳酸菌飲料はしっかりもらったうえで、着替えて荷物をまとめ、チェックアウト。高崎駅から新幹線に乗れば、10時前にはもう帰宅できる。そのまま何事もなかったかのように仕事へ戻った。旅行のあとに仕事をするのはしんどい。しんどいのだが、それでも一度ちゃんと逃げたあとのしんどさは、ただ消耗している時のしんどさとは少し違う。とはいえ結論としては、やはり思う。ドーミーインに帰りたい。
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