終戦の日です。実際の戦闘行為は9月2日まで続いたはずではありますが、「敗戦を認めた日」ということで、戦禍で亡くなったすべての方々に哀悼の意を表します。
サラリーマン時代、一度だけ「"終戦の日"の靖國神社近辺」を通ったことがあります。もともと靖國神社自体は、駐車場に灰皿があったので、移動中の一服によく利用していました。昔、働いていた会社のオフィスが九段南にあったのです。一服ついでに参拝をしたことは数えきれません。みたま祭りに献灯したこともあります。昇殿参拝はしたことはありませんけど。
終戦の日のあそこは狂っています。まあ、狂っているとしか言いようがありません。
あと、第二次世界大戦の日本軍の戦没者の大半は広義の餓死とされていますが、中年太りしたようなオッサンたちが軍服のコスプレをして騒ぐのは悪趣味にもほどがあります。
「九段北けんか祭」とも揶揄される左翼市民によるデモと、それに対する右翼活動家からの罵倒の応酬も、完全に気が狂っているとしか思えません。
さて、表題の「国の代表(天皇や総理大臣)が靖國神社に参拝してはならない理由」についてです。これは河野太郎氏がブログで説明してくれています。しかしどうも、(この人にありがちだと思うんだけど)説明不足な感じがしてなりません。
2001年08月14日
2004年11月29日
また、ブログ自体古いものですので、河野太郎氏のブログの内容をかいつまみつつ、近年判明した事実など必要だと思ったところは補足して、説明を試みます。
まず、バックグラウンドとして、日中国交正常化の際の日中共同声明があります。
この声明において「過去において日本国が戦争を通じて中国国民に重大な損害を与えたことについての責任を痛感し、深く反省する」という合意があります。
その合意を前提として、「中華人民共和国政府は、中日両国国民の友好のために、日本国に対する戦争賠償の請求を放棄することを宣言する。」と声明にあり明文化されています。
これは、戦争は愚かな指導者と軍国主義者が起こしたもので、「日本国民もまた戦争の被害者であり、戦争の被害者(中国国民)が、同じ戦争の被害者(日本国国民)に対して賠償金を請求するのは忍びない」という立場からです。中華人民共和国内で「日本に賠償金を請求すべきだ」という声があがる中で、です。1937年の盧溝橋事件以来、いや、更に遡って1931年の満州事変以来、中国(当時は国民党政権で中華民国。中華民国は終戦後の国共内戦で共産党に敗れ現在の台湾に逃れる)を散々切り取ってきた訳であり、敗戦したからにはそのような声が上がっても仕方のないことです。
これは、戦争は愚かな指導者と軍国主義者が起こしたもので、「日本国民もまた戦争の被害者であり、戦争の被害者(中国国民)が、同じ戦争の被害者(日本国国民)に対して賠償金を請求するのは忍びない」という立場からです。中華人民共和国内で「日本に賠償金を請求すべきだ」という声があがる中で、です。1937年の盧溝橋事件以来、いや、更に遡って1931年の満州事変以来、中国(当時は国民党政権で中華民国。中華民国は終戦後の国共内戦で共産党に敗れ現在の台湾に逃れる)を散々切り取ってきた訳であり、敗戦したからにはそのような声が上がっても仕方のないことです。
ちなみに、戦後のとある転換点を迎えるまで、総理大臣はおろか天皇が靖國神社に参拝することも問題視されませんでした。
その、とある転換点というのが、1978年に靖國神社"が"A級戦犯を合祀したことです。A級戦犯というのは、極東軍事裁判(俗にいう東京裁判)において「平和に対する罪」として判決を受けた当時の日本の戦争指導者たちのことをさします。
もう一度書きます。「靖國神社"が"A級戦犯を合祀した」ことです。もっとも、戦後、靖國神社は民間の一宗教団体となったわけですから、合祀すること自体は靖國神社の自由です。とは言え、戦争の被害者と、その戦争の指導者(加害者)が一緒に祀られてしまうことになりました。
この時点で、昭和天皇は不快感を示し靖國神社への参拝をとりやめたと言われています(富田メモ)。忖度をすると、これが「大御心」であり「御聖断」なのでしょう。
靖國神社は明治天皇が戊辰戦争の戦没者など明治維新に携わる死者を祀る国営の施設である「東京招魂社」を作ったのがはじまりで、一つのイベントとして天皇の参拝がありました。しかし、A級戦犯の合祀以降、天皇の参拝はありません。
靖國神社は明治天皇が戊辰戦争の戦没者など明治維新に携わる死者を祀る国営の施設である「東京招魂社」を作ったのがはじまりで、一つのイベントとして天皇の参拝がありました。しかし、A級戦犯の合祀以降、天皇の参拝はありません。
また、戦争指導者であったA級戦犯が神として祀られている靖國神社に総理大臣が参拝するということは、政府として日中戦争を肯定する、つまり、前述の「過去において日本国が戦争を通じて中国国民に重大な損害を与えたことについての責任を痛感し、深く反省する」という国家間の合意を反故にすることになります。「戦争は愚かな指導者と軍国主義者が起こしたもので、日本国民は悪くない」という立場をとってくれているのに、日本国の代表者が、その愚かな指導者・軍国主義者が神と祀られている施設に参拝するのですよ。それは、昭和天皇も怒って靖國神社行かなくなりますよ。
補足として、以下を羅列しておきます。
・仮に、中華人民共和国が日中戦争の賠償金を日本に請求した場合、日本国は3回くらい破産するらしいです
・靖國神社は民間の一宗教団体であり、総理大臣が公的に参拝するというのは、政教分離の原則に反すると"一部の地方裁判所および高等裁判所"で違憲判決がでています (最高裁は憲法判断を避けた)。"私的"参拝と強調するのはこのためです
・公費から玉串料などを支出することは、政教分離の原則に反するとの最高裁判決がでています (愛知県靖国神社玉串料訴訟)
・公費から玉串料などを支出することは、政教分離の原則に反するとの最高裁判決がでています (愛知県靖国神社玉串料訴訟)
政教分離というのを勘違いしている人が多いのですが、政教分離というのは「国と特定の宗教との関係を断ち切る」(国が特定の宗教団体に肩入れをしてはいけない)ということで「宗教団体が政治団体を持ってはいけないこと」ではないですし、「宗教団体が政治的行為・運動を行ってはいけないこと」でもありません。憲法というのはあくまで国の為政者を縛るものですので。
まあ、こんな感じです。
靖國神社がお嫌いな人はお好きにどうぞ、行かないでください。
靖國神社がお好きな人はお好きにどうぞ、行ってください。
※ ただし、国の代表である人間は除く
ところで、「総理大臣や、天皇は靖國神社に参拝すべきだ!」っていう方々は、それ言う相手は「靖國神社」であることを認識しなければいけません。
だって、参拝できない原因は「A級戦犯が合祀されていること」であって、文句を言うのであればその原因を作った「A級戦犯を合祀"した"靖國神社」に言うのが筋ですよね?
こういった筋を通して靖國神社に申し入れをしている遺族の方もいらっしゃるようです。しかし、靖國神社の説明では「合祀というのは川の流れに水を足すようなもので、一度混ざってしまったら分祀はできない」そうです。
となると、「A級戦犯には批判的だけどその他の人に」と参拝をしている人は、A級戦犯にも頭を下げていることになりますね。
なお、私はもう、靖國神社には行くことはないと思います。
前述の通り、都内に住んでいた頃は近くを通ったときなどに行ってました。少なくとも通りがかると必ず寄るレベルで。しかし、休憩所とか喫煙所とかで「○○人が△△」みたいなヘイトスピーチが聞こえてきて、気分が悪くなることが続いていました。その後、会社は辞めて独立しましたし、引っ越しをして東京都民ではなくなりましたので、近くを通る頻度も減りました。
いや、しかしね。台湾出身者約2万8000人と朝鮮半島出身者約2万1000人も英霊として祀られているのですが、英霊の前でヘイトスピーチをしますかね。アジア解放のために戦い、大半は餓死した英霊も泣いてると思うよ。
あと、真面目に疑問なのですが、戦争で亡くなったのは軍人や軍属だけではありません。当たり前ですが民間人も数多く亡くなられています。なぜ靖國神社"だけ"に執着するのでしょうか。
靖國神社には民間人は祀られていません。
靖國神社のすぐ近くにある、千鳥ヶ淵戦没者墓苑には行かないのですか?国営の、戦争に関わるすべての人の追悼施設です。身元不明であったり、引き取り手のない方々の遺骨も安置されています。
もしかして ご存じない?
墨田区にある東京都慰霊堂には行かないのですか?都営の、関東大震災および東京大空襲で亡くなった方の追悼施設です。
もしかして ご存じない?
私は靖國神社の存在は否定しません。
しかし、繰り返しますが、靖國神社"だけ"にやたら執着する方、理解に苦しみます。
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