はじめに

7月20日に行われた参議院選挙の結果を受け、7月21日の記者会見で、石破茂が続投をすると表明したようです。
これは当然のことでしょう、日米関税交渉の真っ最中なのですから。「辞めると表明している政権」としてアメリカと交渉するわけにはいきません。内心はどうであれ、少なくとも関税交渉が終わるまでは「辞任」を表明することはできず、いわば「死に体」のまま政権運営を続けなければいけません。
※この記事は20250721に書きました。20250723追記:関税交渉終わりましたね。投票日前に合意できてたら選挙の結果は大きく異なっていたかも


ところでその後、石破茂が総理・総裁を辞任したところで、「衆議院も参議院も過半数割れ」している状態で「自民党総裁」をやりたい人っているんですかね。今の状況ですと、首班指名で総理大臣になれるかどうかもわからないのですから。もっとも、自民党が政権を放り出して、衆議院・参議院で比較第一党のまま野党化するなら別ですけど。
石破茂が自ら下野をしない場合は、「敗戦処理内閣」として一定程度の期間は、石破政権は続くのではないでしょうか。
私から見れば「同じ自民党」なので知ったことはないのですが、自民党内においては岸田・石破はアベノミクスの失敗や、二階派・安倍派のいわゆる裏金問題、旧統一教会との関係などの尻拭いをし続けていました。
公明党なんかはそれに巻き込まれて壊滅的なレベルで議席を減らしました。このように、だいたい安倍晋三のせいなのですが、元安倍派の議員が「石破おろし」をするのは噴飯ものです。

※この記事は20250721に書きました。20250723追記:関税交渉終わって8月末までに辞任するっぽい表明しました


さて、前置きが長くなりましたが、7月20日に投開票があった参議院選挙の結果について、思ったことを整理しておきます。

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参議院選挙、振り返り

よかったこと

NHK党が政党要件を満たせず

当選者0、得票率1.2 %です。NHK党のことを反社会的カルト集団と言っても名誉毀損に当たらないという判決がでていますが、それにしても反社会的カルト集団の得票率が1.2 %って高すぎますよね。
彼らは「政党助成金ビジネス」をしているのですから、こういった輩にはNOを突きつけなければいけません。個人投資家が選挙資金を1億5000万円だしたらしいですが、金は持っていてもバカはバカなのですね。政治団体に出資してリターンを得ようとするのは、まだ理解できますが、少なくともNHK党を選ぶのはバカであるとしか言いようがありません。

社会民主党は政党要件を維持

NHK党と真逆です。
かつて自民党と対峙し続けた歴史ある野党である社民党(旧社会党)ですが、最近は政党要件を満たして国政政党の地位を維持するので精一杯です。今回も当選者1、得票率2.1 %となんとか政党要件を満たすことができました。他の政党から出た方が、当選確率が高かったでしょうに、わざわざ社民党を選んで立候補・当選したラサール石井には男気を感じました。

なお、個人的には社民党は解党して国会では統一会派を組んでいる立憲民主党に合流すればいいと思っているのですが、少なからず存在する地方議員の関係上、難しいのかもしれないですね。

支持層の高齢化から、日本共産党や公明党も20年後には消滅危機に陥ってそうな気がします。

鈴木宗男の当選

自民党からの出馬なのは勘弁して欲しかったのですが。
日本の隣国で唯一、日本と平和条約を結んでいない国がロシアです。鈴木宗男さんは、「日露の平和条約締結」「北方領土の返還」をライフワークにしている議員であり、日本でもっともロシアにパイプを持っている議員でもあります。まだ日本に必要な人です。このパイプを受け継ぐ議員を育てていただきたいところです。

今は戦争の影響で、日露関係は最悪の状態ですが、いずれ戦争が終わった後に関係改善をしていかなければいけません。というかとっととウクライナとロシアの戦争終わって欲しいよね…。

繰り返しになりますが、自民党からの出馬は勘弁して欲しかったです。

悪かったこと

参政党の躍進

参政党のような反知性的、カルト的、排外主義的な政党の躍進はよくないですね。憂鬱な気分になっていました。選挙区が7で比例が7の計14議席で現有を含めると参議院に15議席ですので議員立法で法案を提出できちゃいますね。通るかどうかは別として…。

参政党は党首の神谷宗幣自体がもともと自民党出身ですし、安倍晋三応援団であったチャンネル桜などの人脈が見えています。
この党が厄介なのが、神谷宗幣は組織作りに関しては間違いなく優秀で、卓抜した手腕でその組織を動かしている、ということです。組織はおそらく自民党をモデルにしているはずです。
おそらく神谷は今までは国政選挙よりも地本選挙を重視してきて、3年間という短期間でそれなりの数、確か140人ほどの地方議員を抱えることになりました。令和5年の統計で、国民民主党の地方議員が140名くらいだったと記憶しています。3年間という短期間で、国民民主党ていどには地上戦ができる地力をつけてきているということです。それが、維新を離党した梅村みずほをリクルートして、参議院選挙前に国会議員5名という政党要件を満たし、テレビなどの露出を一気に増やした、結果、躍進したのでしょう。
どうすんだこれ。
極右政党が力をつけちゃうのは(ロシアの介入の可能性もあるとされる)近年、EUで目立っていましたがが、とうとう日本にもその流れがきてしまったんですね…。


あと、安倍晋三時代の自民党支持層で、菅義偉を経て岸田・石破と離れていった極右層が参政党に再集結をしているのではとも考えます。ここで素朴な疑問なのですが、「観光立国」も「外国人労働者の積極的受け入れ」も安倍晋三が進めたのですが、なぜ安倍晋三応援団だった連中が真逆のこと言い出すんですかね。

自民党、やっぱり粘り強い

自民党が選挙区で27の比例で12、公明党が選挙区で4の比例で4、合計で47議席を獲得しています。自民党系無所属の候補者(和歌山)がいるので、追加公認はないにしろ実質は48議席です。

現有議席と合わせても過半数まであとたったの2議席です。

例えば「チームみらい」の安野貴弘さんなんかをみていると、自民党・公明党の会派入りして、デジタル庁と深く連携すれば、間違いなく彼のやりたいことをやる近道になるんですよ。「チームみらい」の看板を下げて自民党入りとかをすると、間違いなく支持者を失うのでできないでしょうが、与党会派入り自体はありえなくもないです。自民党と距離が近い人でもありますから。

他、無所属あるいは他党の離党者をリクルートして2名を会派に入れたら、参議院で過半数をとれるわけですから、「自公で過半数割れ(キャッキャッ」なんて無邪気に喜んでいられる状態ではないことがわかります。

優秀な議員が多く落選する

私は自宅で仕事をしているので、国会がある日は国会中継を流し聞きしながら仕事をするのですが。
国会での質疑や答弁で、党派を問わず「この人、超絶優秀だな」と思う議員や、「コイツ、ダメだろ話が噛み合ってないわ」などと思う議員がいます。
党派を問わず、今回の選挙で改選を迎えた"地味だけど優秀な議員"たちが多く議席を失いました。
過去の、自民党の大勝、日本維新の会の躍進や、昨今の国民民主党の躍進などに共通して言えることなのですが、一つの党派が急激に議席を増やす場合、議員の質が低くなる傾向があります。
例えば立憲民主党茨城の小沼巧さんであったり、公明党神奈川の佐々木さやかさんのような、地味で優秀な議員が去って、質が低い議員が入るかもしれないというのはやるせなくなります。何やってんだよ本当…。参政党の候補者は、質が低そうなのが多い…。

裏金議員のその後

いい加減にろボケっ!と言いたい結果です。

名前 派閥 選挙区 当落
 赤池誠章  安倍派  比例区  落選 
 石田昌宏  安倍派  比例区  当選 
 加田裕之  安倍派  兵庫県選挙区  当選 
 北村経夫  安倍派  山口県選挙区  当選 
 高橋はるみ  安倍派  北海道選挙区  当選 
 長峯誠  安倍派  宮崎県選挙区  落選 
 西田昌司  安倍派  京都府選挙区  当選 
 橋本聖子  安倍派  比例区  当選 
 堀井巌  安倍派  奈良県選挙区  当選 
 森雅子  安倍派  福島県選挙区  当選 
 杉田水脈  安倍派  比例区  落選 

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