はじめに

参政党が、参議院選挙期間中に流したデマについてまとめました。
おかしいなぁ、今回の参議院選挙は「いわゆる裏金問題」であったり、「企業団体献金の廃止」であったり、「物価高騰対策」であったり、何より、「自公政権の信を問う」選挙だったはずです。
ところがなぜか、「参政党」のようなカルトっぽい危ない政党が支持率を伸ばしていて、世の中のいろんなリソースが彼らを抑えることに回っているような気がします。
仕事の息抜きに「それでもバカとは戦え」の精神で、そもそもほぼ誰も読まないであろう、この文章を書いています。

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参政党が流したデマの一部

街頭演説を全部聞くのは物理的に無理、というか聞いていないし、何より聞きたくないので、SNSで参政党候補者が流したり、ニュースになったもののみです。大体は報道の焼き直しでわかりやすく解説する感じです。

留学生関連

中国人留学生に1000万円を渡している

すべての中国人留学生が1000万円を受け取っているような言い方ですが、これは悪意あるミスリードです。

これはSPRINGというプログラムで、大学院の博士後期課程で学んでいる人のうち、優秀な人への研究費・生活費の支援のことです。このプログラムはもちろん日本人も受けていますし、他の国籍の優秀な方も受け取っています。
国籍要件がないのは、優秀な人に日本で研究をしていただき、その研究の恩恵を日本が受けることに繋がります。また、その方がもし帰国された場合、優秀であることからその国において、それなりの立場になるでしょう。海外において、それなりの立場に親日派・知日派を増やすことは良いことです。

中国人留学生に返済不要の奨学金を渡している

デマです。

中国人に限らず、外国人留学生の97.2 %は私費留学生です。海外にいる両親から学費を出してもらい、仕送りとビザで認められている範囲のアルバイトで生計を立てているのでしょう。

残りの2.8 %は「国費外国人留学生制度」というのがあり、中国人に限らず「優秀な方」がこの返済不要の奨学金を受け取れます。本当に優秀なのか？って優秀なんですよ。対象国にある日本大使館の役職者が成績チェックであったり、面接などをして「ぜひ来ていただきたい」という方を選抜しているのです。
こういった優秀な留学生の方が、卒業後、日本で就職をしてくだされば、日本の発展にも繋がります。また、帰国されたとしても、それだけ優秀な方なのですからそれなりの立場になるでしょう。繰り返しますが、海外において親日派・知日派がそれなりの立場になることは、日本の国益にも繋がります。

私にも奨学金の返済で苦労している友人がいました。したがって、日本国内において返済不要の「給付型奨学金」の拡大を訴えるのは一向に構いませんが、外国人を引き合いにだしてデマを撒き、排外主義を煽るのはよくないことです。

出典：

ここまでのソース。
① 毎日新聞

生活保護関連

本来は外国人は生活保護を受給できない

デマです。

最高裁平成26年7月18日判決において、自治体の裁量で行政措置としての生活保護の支給は認められています。


厚生労働省の通達がこちら。
参考：

外国人は生活保護を受けやすい

デマです。

まず、生活保護費は「個人」ではなく「世帯」に対して支給されます。
すべての例を挙げることはできませんが、生活保護を受けられるごく一部の在日外国人は以下の通りです。

永住者：
日本に10年以上住んで、5年以上働き、永住者資格を得る時点でそれなりに収入と資産があり、過去に納税や社会保険・公共料金等の支払いをしっかりとしてきた、犯罪歴のない人。そもそも生活保護を受けるような状態にはなりにくいのはわかると思います。

日系人：
高度経済成長期に労働力として来日していただいた"日系ブラジル人"など。

特別永住者：
在日コリアン・在日台湾人など、かつて日本国籍だった人。

日本人の配偶者：
世帯主個人が外国人だったとしても「世帯」には日本人が含まれる。

日本人の親：
日本人と結婚し、離婚した人で「日本国籍の子ども」を育てている人。

難民：
日本の難民認定率が低いので、ほとんどいない。

などです。
簡単に言えば、日本に来てすぐに「生活保護ください！」っていうのは無理です。例え日系人だとしても、日本に居住して、日本で長い間働いて、納税をしていたという事実が必要です。
観光以外のビザは、「働くことを前提としたビザ」のため、例えば失職した場合は在留許可が取り消されるだけです。

外国人の生活保護世帯が増えている

デマです。

まず、2023年時点での生活保護世帯のうち、「世帯主が外国人」である世帯は全体の2.9 %です。
推移として、2013年から2023年にかけては、減少傾向にあります。
2020年と2021年に上がったことがありましたが、これはコロナ禍による影響であると考えられます。

もともと外国人の生活保護は、法的な問題で「国民年金」に加入できなかった在日コリアンと在日台湾人が多く、高齢の在日コリアン、在日台湾人の数が減っていくため、減っていくのは当たり前です。

あと、前述の通り、「世帯」に配偶者や子どもなど日本国籍の人が含まれている可能性があることに留意する必要があります。要するに、安易に「外国人の生活保護廃止」なんて口に出すべきではないのです。外国人への生活保護を廃止した結果、日本国籍の子どもが餓死したらどうするんですか？

出典：

ここまでのソース。
① 朝日新聞による厚生労働省への取材。


② 公益財団法人「日本ドットコム」記事中の厚生労働省の資料より

その他

宮城県が水道を外資に売り渡した

デマです。
実際は水道の保有権を持ちつつ民間に業務委託しただけであり、業務委託先の「株式会社みずむすびマネジメントみやぎ」に出資した企業のうち外資系企業は1社で議決権は18%に過ぎません。最大株主は日本企業で議決権51 %を占めています。

ソース：
宮城県による抗議文。

選択的夫婦別姓で戸籍がメチャクチャになる

デマです。

まず、戸籍はデーターベースで管理されています。
今までは「戸籍」は全員同じ「氏」であるため、省かれていましたが、選択的夫婦別姓にあたっては、戸籍のデーターベースに「氏」というカラムを追加するだけです。
このような改修は最近も行われていて、(信じがたいことですが)今まで戸籍に「フリガナ」というカラムがありませんでした。戸籍をみて名前が「不惑」だったとしても「ふわく」なのか「まどわず」なのかがわからないのです。最近、戸籍に「フリガナ」というカラムが追加されましたので、フリガナがあっているか、法務省からお知らせがくるはずです。

ソース：
法務省によるシステムの標準仕様書


日立システムズのこの絵がわかりやすいです。


データーベースについてわかりやすそうなもの。

終わりに

疲れた

まだまだデマはあるのですが、これで終わりにします。打ち合わせあるし。
皆さん、ぜひ日本ファクトチェックセンターなどをご活用ください。

関係ないけど

裏金議員一覧

今日のサムネイル

相変わらずのイシバくん。まあ今こんな気持ちになってそうだけど。