最近、コメや農業に関する記事を書いたので、コメに関する思い出話でも書いてみましょうか。
人にはとうぜん、得意不得意があります。
前の彼女はとにかく「コメを炊くのが下手」でした。Aさんとしましょうか。

私は昔、「コメくらい誰でもある程度のクオリティで炊けるだろう」という思い込みがあったのですが、どうもそうではないらしいことを、同棲を始めてから知りました。
付き合いたてで盛り上がっている時、「その人の作るモノならすべてが美味しい」という時期もあるかもしれないのですが、そんな時期はとうに過ぎ去っています。また、Aさんは「料理上手で胃袋を掴む」タイプの人でもありませんでした。

さすがに、Aさんに「あなたが炊くコメが口に合わない」と面と向かって火の玉ストレートなことを言うことはできません。炊いてくださってるのですから。自分で炊くとまあ納得できる味にはなるんですけど。

Aさんは自分の興味のあること以外、とにかくお金を切り詰める、という価値観を持っていました。少しでも安い物を買うのが勝ち、という考えでスーパーを往復するのを厭いません。療養中なのだから、そういのは最低限にして浮いた時間、きちんと休むことに使ってくれたらいいのに。
生活費はほぼ私が出していましたし、当時も私はそれなりの収入がありました。Aさん一人を養うのに、私が切り詰める必要はないのは知っていたはずですが…。そのことは私からもちろん伝えていました。しかし、わざわざスーパーを往復して、コメは精米してある程度日が経った、値引きシールの貼ってあるものを買ってくるのが常でした。

彼女が炊くコメが口に合わないのは「コメのせいではないか」という仮説を立てていた私は、こう言いました。「今買っているコメが好みでないので、通販で私の好きなものを買わせてください」と。
Aさんが遠いという(私にとっては普通なのだが)スーパーから重いコメなどを運ぶのが大変だとボヤいていたこともあり、合意を得られて、通販でそれなりの値段がする銘柄米を買うことにしました。しかし、あまり改善はされなかったです。
自分で炊くと、さすがいいコメであって美味しく食べられました。

同棲をした経緯ですが諸事情(主にAさん側の事情)あって、私がAさんの家に転がり込んだあと、私が家を買って引っ越しました。
そのため自宅で使っていた炊飯器は、Aさんが社会にでたときに中古で買ったという割と年代もののものでした。「この炊飯器、だいぶ古くなっているから買い換えようか」と提案しました。コメを良いものに変えても口に合わないなら、炊飯器が問題なのだと思ったのです。私が買うのですが、きちんと合意形成をしなければいけません。
合意形成の結果、象印やタイガーの、10万円近いフラグシップモデルとはいかないまでも、3,4万円はするミドルレンジ、それなりの炊飯器を買いました。

あまり改善はされなかったどころか、悪化しました(笑)。自分で炊いたら「へー、炊飯器いいのにするとこんなに違うんだ」と思ったのですけど。

時系列が少し前後しますが同棲をはじめてAさんが療養中は、家事はAさんにお願いしていました。コロナで私が在宅ワークに切り替え、その前後でAさんが復職したことで家事は「自分のことは自分でやる」的な基本方針になりました。もっとも生活費の大部分は私が出していたのと仕事をしている時間が違いますので、共用部分については私がAさんに甘えてしまう部分が多分にあったのですけど。

ある時、私が自分で食べるコメを炊こうとしている時に、Aさんが口を出してきました。

Aさん「待って、なんで浸水をさせないでスイッチ押すの?」
不惑 「浸水時間を加味して炊いてくれる炊飯器だよ。説明書に書いてある」
Aさん「いや、普通は浸水はやるでしょ。それに買ったコメの"美味しい炊き方"にも書いてるでしょ」
不惑 「普通やるとかではなく、それをやらなくていい炊飯器なんだってば」
Aさん「それにこれは無洗米でしょ。無洗米は普通より多くの浸水時間が必要なんだから」
不惑 「ちゃんと無洗米モードにしているので無洗米の浸水時間もまた加味されるんだって」
Aさん「浸水とか基本的なことがわからないで、コメが口に合わないとか言われても困るんだけど」
不惑 「…(浸水などは知ってるがここから絶句)」

炊飯器を換えたあと、コメの味が悪化した理由は、Aさんが炊飯器の説明書を読まないか、読んでいたとしても炊飯器の説明書より、コメの説明書や自分の経験(普通)を優先していたからだと推測できます。
一連の経緯(2年くらいかけてます)から「この子はコメの炊き方がヘタなんだ」と思った瞬間です。

仕事において、「マニュアル通りのことしかできない」という表現がありますが、色んな人と仕事をしていて思ったのが「マニュアル通りにできる人はそれなりに優秀」ということです。マニュアル通りにこなす仕事、というのはマニュアルに定められた最低限の品質を担保できる、ということです。マニュアル度外視で高品質の仕事ができる人は確かに存在しますが、それができる人は限られています。
彼女とのコメに関するやりとりをしていた時、「マニュアル通りにできる人はそれなりに優秀」ということを改めて思ったのを覚えています。

また口を出されても余計なストレスが溜まるのでその日以来、自宅でコメを炊いて食べるのはやめました。

数年後、Aさんとは別れることになり、Aさんが出て行くことになりました。
5,6年は同棲していた相手が出て行き、かなり寂しかったです。コメの炊き方が下手であろうと、それは小さな不満の一つに過ぎず、私が少し我慢をして終わらせたことなので、たいした問題ではありませんでした。私たちは、お互いに好きで付き合っていたはずなのです。別れるに至ったのは、別の理由がありました。
過去の記事に書いたか、書かなかったかは覚えていません。同棲するに至ったきっかけとかは過去の記事に書いた気がします。

コロナ以降、在宅で仕事をしていて顧客や関係先とのやり取りも、ほぼメールかチャットで済ませています。そのため、Aさんが出て行ったあと、一日に一言も口を開かない日もありました。独り言が増えます。

しかし、二つ、良かったことがあります。それはどちらもコメにまつわること。
あまり炊かないのだけど、自分で納得できるクオリティの米を炊けることです。クオリティが低かったらそれは自分のせいであり原因を考察して改善することができます。まあ自炊自体が面倒だし、納得できるだけで「自分で作る」時点で味が落ちる気がするんだけど。
もう一つは、やはりあまり炊かないのですけど、炊き込みご飯が作れることです。「炊飯器が臭くなる」
という理由で炊き込みご飯を作らせてもらえなかったのです。

Aさんと別れてから2年近く経っています。いま、私には新しい彼女がいます。さっき、久しぶりにコメを炊いていたのですが、前の彼女との、この話を思い出したので書いてみた次第です。

ちなみに、私はコメを余り食べないので購入は2kg単位です。
これを3ヶ月くらいかけて消化するのですけど。精米から時間が経つとコメは悪くなりますので、悪くならないよう、山崎実業(Tower)の冷蔵庫用米びつに入れて、冷蔵庫の野菜室にいれてあります。
これをするとかなりもちますし、梅雨から夏にかけて、コメがカビたり虫が湧いたりすることもありません。
1合ごとに内部で仕切られているので計量カップもいらず、したがって、洗い物が減るのもいいです。まあ、コメを炊く時点で、多くの洗い物が発生するのですが…。洗い物は面倒ですよね…。
ただ、冷蔵庫内でそれなりにスペースをくうのでガッツリ自炊をしている人には、向かないかもしれません。野菜入れるところがなくなっちゃいますからね。あまり自炊しない人にはお勧めです。

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4o Image Generation作成。コメを炊くのに失敗して、ウイスキーをラッパ飲みするOL。
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